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2014年12月 3日

ISOI国際口腔インプラント学会学術大会に参加するために、大阪に行ってきました♪

DGZIは、今年4月にIPSG20周年記念特別講演会にお招きした、ドイツTuebingen大学のWeber教授が代表を務める学会です。

会員数は世界中で4000人を越えるそうです。

今回参加させて頂いた目的のひとつは、やはりWeber教授にお会いしたいということもあったからでした(^_^)

最初の講演は、Vollmer教授による

「 チタン既製クラウンの主要部分と新しいプラスチック材料を用いCAD/CAMで作製したクラウンを組み合わせる二重クラウンの臨床的応用について」

ということで、テレスコープシステムやコニカルクラウンについてのお話を聞く事ができました。 

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テレスコープシステムは、

Starr R.Walter a dentist from Philadelphia/USA reported in 1886 about a removable bridge made of double crowns.

とあるように128年に及ぶ歴史ある技術だというお話をされました。

そして、1969年にKoerber教授により、ドイツでブレイクスルーが起こりました。

conical crowns with a defined angle of convergence. 

コーヌスクローネですね♪

テレスコープシステムがブレイクスルーした真っ最中に父である稲葉繁先生が幸運にも、ドイツへ留学していたということになります。  

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レジリエンツテレスコープについてもお話があり、大変びっくりしました。

なぜなら、開発されたのはTuebingen大学なので、ドイツでも一部の先生しか知らない方法だと思っていたからです。

Vollmer教授ご自身、20年経過症例をお持ちで大変長持ちするテレスコープだとおっしゃっていました。

Resilience telescope:

Primary and secondary parts should have some backlash in occlusal region in order to have some space on top of eace other under load,so called resiliency.

とお話されていたように、軸壁はパラレルでトップのところに歯根膜の沈み込み分、緩衝腔を設けています。 

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ドイツでは古くからの歴史あるテレスコープは、Vollmer教授の臨床経験から明らかに、テレスコープとコニカルクラウンの使用はインプラントの上部構造に、とても有益な方法だとおっしゃっていました。  

インプラントの上部構造をテレスコープにする【利点】は

  • 口腔外での修理が可能。
  • 歯周衛生が適切にできること。
  • 高齢者にも簡単に取り外しができること。

【欠点】として、  

  • 歯科技工士のレベルが相当高くないといけないこと。
  • コストが非常にかかること。

などを挙げられていました。 

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そして、今回新しい材料、PEEKのテレスコープ応用についてお話がありました。

Vollmer教授はガルバノによるテレスコープもされますが、最近ではこの材料を好んで使われているそうです。

医学では人工関節などで使用されている材料だそうです。

でも・・・

日本の薬事を通って応用されるようになるには、遠い先のような感じがしました(-_-) 

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ドイツでは歯が強くなくてはいけない。

日本のように小さな食べ物ではなく大きな食べ物をちぎらないといけないのです。

なんて、お話をされていました。笑 

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そして、Weber教授の講演です♪ 

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座長は、IPSGでも講演をしてくださった神奈川歯科大学付属横浜クリニックインプラント科の林昌二先生 です♪

来年から定期的に林先生に講演をお願いする予定なので、どうぞお楽しみに(^_<)-☆ 

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Weber教授が素晴らしい方であることの理由がよくわかりました。

必ず、講演前に日本の友人、お世話になっている方へのお礼や感謝の気持を述べられるところです。

今年の4月に我が家の自宅に招かせて頂いた写真や、IPSGのパーティーの模様、父、稲葉繁先生に対する感謝の気持をお聴きする事ができ、早速父にも伝えようと思いました。 

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講演では、スパークエロージョン(放電加工)による可撤性、固定性補綴物の最も高度な技術について、その後の可能性も含め、目が覚める様な、素晴らしいお話されました。 

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リーゲルテレスコープ、旋回リーゲルとインプラントの応用について、

放電加工による、Co-Cr-Mo合金を用いた症例をいくつも見ることができました。 

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テレスコープの着脱方法の決定にはコナトアの使用は欠かせません。

インプラントによる補綴物に関しても必要だと思いますが、日本ではあまり普及していないように感じます。 

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動画による放電加工の様子を見る事ができました。

テレスコープには高い精度が求められ、複雑な技工過程が伴います。

インプラントの安定化のためにも、放電加工は大きな可能性を秘めていると感じました♪

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最後に、一緒に記念写真を♪

来年、10月にIPSGのメンバーでWeber教授がいらっしゃる、Tuebingen大学を訪問することになりました。

ちょうどオクトーバーフェストの時期でもありますし、これから、楽しい企画を立てようと思います(^_<)-☆

2014年5月16日

稲葉歯科医院、院長稲葉由里子です。

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』

IPSG20周年特別記念講演会のゲスト ドイツ・チュービンゲン大学 歯学部長 Prof.Dr.H.Weberの講演についてお伝えします☆♪

The German state of the art of combined fixed removable partial dentures and implant stabilized supra structures.

『最先端補綴修復治療の最新情報-従来からの固定性および可撤性補綴物ならびにインプラント埋入及び修復術 』

略歴

1974年 学位取得(歯科医学博士)

1982年 補綴学講座教授及び学科長、チュービンゲン大学

1990-91年 医学部学部長、チュービンゲン大学

1996年 EPAヨーロッパ補綴学会会長

2013年 DGZIドイツ口腔インプラント学会会長

ドイツにおける補綴歯科医学会の最高峰。

インプラントとテレスコープを使用した補綴法の第一人者。チュービンゲン大学主任教授。

元ヨーロッパ補綴学会会長。世界各地にて600回以上、口腔に関する発表、講演等を行っています。

座長をお願いさせていただいたのは、1996年にチュービンゲン大学、Weber教授の元に留学をされていた、神奈川歯科大学付属横浜クリニックインプラント科教授の林昌二先生です。  

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ドイツでは、卒業した大学の教授になることはできず、他の大学の教授になるという決まりがあります。

そのため、Weber教授は、デュッセルドルフ大学卒業でいらっしゃいますが、30代という若さで、チュービンゲン大学の教授となりました。

ヨーロッパ補綴学会会長も務め、ドイツ口腔インプラント学会の発起人でもあります。

EDZK会長、そして International Academy of Facial Restorationのメンバーでいらっしゃいます。

こちらの学会は世界中から集まり、メンバーは45名限定とお聞きました。

Weber教授の元には、多くの留学生を受け入れていて、補綴科、歯科技工科の他に生体工学を歯科の分野として研究されているそうです。

今回の特別講演会の模様は、映像を収録し、販売する予定でありましたが、個人情報や特許の情報など、かなり盛り込まれていたので、公開しないことになりました。

報告はごく一部限られた物ではありますが、『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』の素晴らしさについてお伝えできればと思います。 

Weber教授の患者様は世界中からいらしていて、ロシア、ギリシャの政治家、サウジアラビアのロイヤルファミリーなど、VIPな方々です。

会場に参加してくださった方のみが聞ける貴重な講演になったと思います。

最初に、IPSG包括歯科医療研究会20周年のお祝いの言葉をいただき、ご自身のプロフィールをお話いただきました。

IPSGは、International Practical Study Grop の略ですが、この名前が素晴らしいこと、そしてWeber教授ご自身、ドクターだけではなく、テクニシャンの支えがなければ、私は今ここにはいないでしょう。

とお話しがありました。 

講演会の前にも、テクニシャンはどのくらい参加しているのかということをとても気になさっていて、ぜひテクニシャンの方々に興味を持って頂きたいとおっしゃっていました。

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こちらのパワーポイントには義歯の設計でとても大切なことをお伝えしていました。

遊離端は長い方が、義歯を支える最後方歯にかかる負担が少ないこと。

一見、負担がかかりそうな感じがしますが、稲葉先生がいつもお伝えしているように、遊離端は長いほうがいい。

ということで、Weber教授も同じことをおっしゃっていました。

もうひとつ、気をつけないといけないのが、中間歯欠損の真ん中の歯は要注意です。

その歯を支点として、シーソー現象をおこし、骨の吸収や破折の原因となります。

テレスコープでしっかり一次固定をするなどの対策が必要です。

インプラントであっても、同じ現象が起きるので注意が必要であるというお話がありました。

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今回びっくりしたことの一つがやはり、チュービンゲン大学の学生の症例だと思います。

数症例、フルマウスの学生の症例をみせてくださいました。

技工操作はできないけれど、その他すべての形成、印象、バイトそして設計まで学生が行います。

ドイツでは、学生の実習にこのような症例がすべて含まれていて、大変レベルが高い仕事を学生時代の最初に行います。 

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Schwenkriegel(旋回リーゲル)から Drehriegel(回転リーゲル)など、様々なリーゲルテレスコープの症例を数多く見させて頂きました。

Weber教授は、リーゲルテレスコープやアタッチメントを説明する時に、

「取り外しはできるけど、ブリッジと同じ感覚だと伝える」

ことで、患者様は安心することができる。

と臨床現場でのヒントもいただきました。 

今回、私がとても驚いたのが、エピテーゼの症例です。

チュービンゲン大学がエピテーゼが大変進んでいますが、その固定方法として、リーゲルテレスコープが応用されていました。

確かに、鍵、レバーで固定することで非常に安定感を得ることができると思います。

ドイツならではの技術にとても驚かされました。

写真をお見せできないのが残念ではありますが、来年の春、2年に1度開催される、世界で一番大きなデンタルショーに参加するのを機会にチュービンゲン大学を訪問するので、ご自身の目で沢山の技術を確かめていただければと思います。 

今回の講演では、固定性ならびに可撤性補綴物の最新補綴学について詳しくお話をいただきました。

『放電加工』などの最新テクノロジーは、義歯と組み合わせた固定性・可撤性補綴物の複雑な工程を標準簡素化することができます。

またインプラントと天然歯のコンビネーションケースの上部構造にテレスコープシステムを応用することは大変有効であり、可撤できることで、修理ができるため、長く患者様の口腔内で機能させることが可能になります。 

Double Crowns 二重冠の種類には、

Telescopic crown

Conus crown

Hybrid crown

がありますが、Weber教授はHybrid CrownのDouble Crownsにフリクションピンを応用するテレスコープを好んで行われていました。

やはりドイツでも金属、テレスコープに使用するGoldの高騰によりSpark erosion 放電加工の技術が普及しています。

コバルトクロムは、鋳造加工が非常に難しい金属ですが、放電加工技術の進歩により大変精密な製作ができるようになりました。

歯科界の大きな革命と言っても過言ではありません。 

このテクノロジーは実践上難しくなく、非貴金属合金の応用であり、大変有益な結果を得ています。

Weber教授からのメッセージです。

「今回の講演は、補綴初心者にも、何が実践できるか。その上のレベルではどんなことができるのか、という視点を持つことが大切です。そして、経験を積んだ補綴家の先生方にも、ご自身の患者様に対して、最先端技術をどのようにして臨床応用に変えていくことができるのか、というヒントになったと思うので、ぜひ実践していただきたいと思います。」 

今回の講演は2時間を予定していましたが、Weber教授が準備してくださった資料は5時間分でした。

なんとか2時間半まで延長させていただきましたが、その膨大な資料と症例に驚かされました。 

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最後に、今回座長を務めてくださった、林昌二先生、昨年ISOIでお知り合いになったことを機会に、IPSGで講演もしてくださいました。

今後、また林先生には『放電加工』そして『パラレルテレスコープ』について更に詳しく教えて頂きたいと思います。

IPSG20周年特別講演会に、ドイツにおける補綴歯科医学会トップの教授にいらしていただくことができ、大変光栄に思います。  

Weber教授の数々のテレスコープ症例、そしてその膨大な知識、先生方にとって、第3の選択肢に触れる素晴らしい機会となったと思います。

沢山の先生方ご参加いただき、心より感謝させて頂きたいと思います。

そして今回の20周年を支えてくださった先生方をはじめ、関係者の方々、本当にありがとうございました☆

この20周年を機会に、出会う事ができた先生方、ぜひこれからも、IPSGをよろしくお願いいたします♪


稲葉歯科医院、院長の稲葉由里子です。

顧問の稲葉繁が代表を務める、IPSG包括歯科医療研究会が20周年を迎えるにあたり、

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』

というテーマで、ドイツチュービンゲン大学からProf.Dr.H.Weberをお迎えし、開催されたので、

ご報告させて頂きたいと思います。

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一般社団法人IPSG包括歯科医療研究会 代表 稲葉繁先生

『ヨーロッパから学んだ私の臨床』

稲葉先生は1964年に日本歯科大学を卒業、歯科医師となりました。

その後補綴学を選考し1968年東京オリンピックの年に大学院を修了、歯学博士となり、研究、教育、臨床の道に入りました。   

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最初に学んだテーマは咬合でした。

特にナソロジーに興味をもち、スチュアート、P.Kトーマス、ジャンケルソン、ラウリッツェン、ギシェーなど主にアメリカの臨床家から影響を受けました。 

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稲葉先生の臨床は咬合を基本とした顎関節症の治療、テレスコープを用いたパーシャルデンチャー、そして上下顎同時印象法による、デンチャースペースを再現する総義歯が基本となっています。

こちらの写真は、アイヒナーの分類で有名な、アイヒナー先生です。  

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Weber教授もよく知っている有名な先生の名前がでてきて、とても興味深そうに話を聞いてくださっていました。

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1970年代、アメリカで中心位の定義が疑問視され、ナソロジーが見直されてきた時期に、ヨーロッパで顎関節症の診断治療をシステム化しているチュービンゲン大学歯学部のシュルテ教授の講義を受けたいと考えていました。

その後、チュービンゲン大学歯学部補綴科の客員教授として、顎関節症とテレスコープシステムを学ぶチャンスを得ました。

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当時スチュアートの咬合器を扱えるのが稲葉先生だけだったことから、信頼を得ることができたといいます。

講演では、顎関節症の患者様、クローズドロックのマニュピレーションの方法を動画で説明させていただき、とてもわかりやすかったと思います。  

1978年から1年半に渡り、咬合と筋機能療法を基本にしたシュルテ教授の顎関節症の治療は、その後の臨床に大きな影響を受けました。 

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さらに、1978年の夏リヒテンシュタインのイボクラーで開催していた、イボクラー社のデンチャーシステムの研修を受講し、シュライヒ先生と知遇を得、現在の最終印象における上下顎同時印象の開発に至りました。

上下顎同時印象による総義歯製作方法もすべて動画でご覧頂きました☆ 

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そして、チュービンゲン大学で学んだ、リーゲル、コーヌス、レジリエンツなどのテレスコープシステムは現在の稲葉先生の臨床の基本になっていることをお伝えしました。

すでに、30年以上経過症例を多数持っていますが、大切なのは、沢山の引き出しを持つこと。

どのような状態でも対応、応用できる技術を、これまでIPSGを通じて先生方に広めて参りました。

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』は、インプラントとのコンビネーションも可能となり、テレスコープシステムはこれからの日本の歯科治療に求められる、非常に大切な技術だということを先生方にお伝えさせて頂きました。

3つのテーマを動画を織り交ぜお伝えさせていただいた講演はとてもわかりやすかったと思います。

Weber教授も、稲葉先生が広められている技術はとても価値があり、大切な技術なので、バックアップしていきたいとお話をいただきました(^_^) 

IPSGでは来年の春、ドイツで開催される、世界で一番大きなデンタルショーIDSの時期に、チュービンゲン大学を訪問する企画を立てる予定ですが、Weber教授は、その際、出来る限りの情報を先生方にお伝えしたいとおっしゃっていただきました。

今後も、IPSGを通じてドイツの歯科技術を啓蒙していきたいと思います。

2014年1月15日

こんにちは。

稲葉歯科医院、院長の稲葉由里子です。 

1月13日、当院顧問の稲葉繁が代表を務めるIPSG20周年特別講演会関連セミナーとして、『テレスコープシステムセミナー』が 開催されました。

今回、大変素晴らしいゲストスピーカーをお招きいたしました(^_^)

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神奈川歯科大学付属横浜クリニックインプラント科の林昌二先生です。

林先生とは、昨年開催された、ISOI国際インプラント学会へ出席させていただいたときに、IPSG20周年にお招きする、Weber教授よりご紹介いただきました(^_^)

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林先生は1989年にドイツ、チュービンゲン大学、Weber教授のもとに留学をされました。

稲葉先生が1978年、およそ10年後ということです。

今回お話いただいたテーマは、

『可撤性電鋳上部構造について』 

ということで、ドイツの最先端の歯科技術についてでした。

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林先生は、DGZI日本支部の初代会長をされ、ドイツから日本へ、日本からドイツへ

インプラントの歴史を繋ぐ、国際交流の架け橋をされています。 

ドイツ人は良いものを長く使う国民性があります。

アメリカは、新しい技術がめまぐるしく変わりますが、ドイツではほとんど変わらないように見えますが、 それだけ安定していると言えるでしょう。

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Tuebingenとの出会いということで、すごい記事をみせていただきました。

33歳という若さで教授となったWeber教授のお写真です。

こちらQDTの記事の中には

『チュービンゲン大学補綴第2講座の主任教授、Hener Weber博士が本学術大会において"固定性および可撤性の補綴における新しいテクニック"について講演される。1982年からチュービンゲン大学の教授となり、世界的に活躍している若手のホープである。〜中略〜西ドイツといえば、すでにご承知のごとく、アタッチメントコーヌスクローネをはじめとして、新しい治療様式の開発がさかんなメッカである。Weber教授は補綴学分野において新しい技術の開発を行っている事から考えて、いかに先駆的な研究をしているかわかっていただけるだろう。・・・』

というような内容で紹介されていました。 

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右下の写真は、林先生のお嬢様がWeber教授にプレゼントされた似顔絵だそうです。

ドイツ人は、既成のものを贈り物にするよりも、気持ちが入った手作りの贈り物をする方がずっと喜ばれるそうです。

この似顔絵も教授室に2年ぐらい飾られていたとか・・・(^_^)

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セミナーの中で林先生は、家族でドイツへ留学されていたので、今の人間関係を築く事ができたとおっしゃっていました。

大切は人といかに長く大事な人間関係を結ぶか。

は、ドイツでは特に一番身近な家族の存在が大きいということです。  

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林先生はチュービンゲン大学にインプラントを勉強しに行ったそうですが、Weber教授をはじめとする、先生方は、インプラントはどこでも学べるので、日本に戻ってからもできる研究の方がいいのではないかということで、

『電鋳加工』

について、大変熱心に研究を行ってきたそうです。 

日本ではなかなか受け入れられない風潮があるようですが、

ドイツでは、

「誰が行っても同じゼロフィッティングできる技術があればいいのではないか」

という考えだとお聞きしました。

鋳造や混水比による誤差を生じません。 

誰が行っても同じ効果を得られて、誤差がない道具。

ドイツ人らしい考え方だと思います(^_^)

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林先生の技術はどっしりとしたドイツ流で、IPSGの先生方との共通点も非常に多くあるように感じました。

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林先生は、ヨーロッパ補綴学会で、電鋳の発表をずっと行ってこられました。

日本ではごく一部の先生方しか電鋳の効果を実感していないのが現状だそうです。

林先生も、天然歯とインプラントの上部構造に、ドッペルクローネ(テレスコープシステム)で対応されていましたが、なにも問題がないとおっしゃっていました。

精度がいいということが、問題のない理由だと思います。  

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インプラントの植立位置を考える、咬合と応力がどこにかかるかをきちんと設計しないといけません。

この症例だと上顎の真ん中にすべて応力が集中することが、想像できます。

この10年の間に、インプラント治療をされた方の高齢化が一気に増えると予想されます。

その際、メンテナンスをしやすい形にすることが非常に大切だと感じます。

取り外しができる構造に移行していく必要性についてお話をいただきました。

ただ、歯がないからインプラントをするのではなく、将来患者様がどのような状態になるかを想像して、次の一手二手を打つ必要があるとおっしゃっていました。  

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ドッペルクローネによる、インプラントと天然歯のコンビネーション症例など、他にも沢山の症例をみせていただきました。

ドイツ人のインプラントの設計は、最近見る、All-on4,6などに比べるとかなりしっかりとした印象がありました。

ドイツ人は、良いものを長く使うという国民性があります。

材料も新しいものに飛びつかず、10年残っている歯科材料にこそ信頼を持って使う事ができる。

とおっしゃっていました。

約2時間、大変貴重なドイツの最先端技術をご講演くださり、大変刺激的な内容でした。

その後の質疑応答でも、沢山の先生方からのご質問に丁寧に答えてくださいました。

今年の4月27日に開催される、IPSG20周年に繋がる素晴らしいセミナーだったと思います。

林先生、本当にありがとうございました☆♪ 


2013年9月30日

こんにちは。
稲葉歯科医院、院長稲葉由里子です。
顧問の稲葉繁が代表を務めるIPSG包括歯科医療研究会が今年で20周年を迎える事になりました(^_<)-☆

IPSGとは、稲葉繁が、海外で直接、著名な先生から指導を受けたたしかな技術を日本の歯科医師に広めるために1994年 ドイツ・アルゴイ地方の歯科研修において発足した勉強会です。

今年の3月、IPSGのメンバーで稲葉先生が客員教授を務めたチュービンゲン大学を訪問させていただいたことを機会に、記念すべき20周年は、補綴科教授Prof.Dr.H.Weberをお招きすることになりました。

Weber教授の経歴は・・・

あまりに長いので、搔い摘んでお伝えさせていただきます。

●1990/91 チュービンゲン大学の医学部学部長、歯学部長
●1995/96 ヨーロッパ補綴学会、会長
●2002-2010 ヨーロッパ歯科技工学会会長
●2001-2004 ドイツ口腔及び頭蓋下顎学会(DGZMK)理事会長
●2005 ドイツ歯科医師会ゴールド名誉受賞

ヨーロッパの歯科の学会の会長を務め、世界中、ヨーロッパを中心に600回以上の発表、講師、実技講習をされているドイツ教授界トップの先生なのです☆

こんな素晴らしい方はなかなか招く事はできませんが、やはり稲葉繁の功績を認めてくださっての事だと思います。

講演のタイトルは・・・

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』

なかなか魅力的なタイトルだと思いませんか?(^_<)-☆

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こちらが、ドイツチュービンゲン大学の補綴科教授のProf.Dr.H.Weberです。
なかなか素敵な蝶ネクタイですね。
お会いするのが、楽しみです(^_<)-☆

これから数回にわたり、ドイツの最新入れ歯についてお伝えしていきたいと思います。


2010年2月25日

テレスコープシステムの違いについて

現在、日本の保険で適応されている入れ歯はクラスプというバネをつかったものです。

クラスプと歯は密着していますが、接着はしていません。 そのため入れ歯が動くと一緒に歯を動かしてしまい、ゆっくりと歯を抜いてしまう力が加わってしまいます。

バネで歯を支えているため、口の中で入れ歯は常に動いてしまいます。

私たち歯科医師が歯を抜歯するとき、歯を横に揺らしてから歯を抜きますが、同じことをクラスプがしてしまうのです。

ドイツでは、すでに歯科大学の授業からもクラスプによる治療方法ははずされていて、歯のために良くない、古い方法とされています。

では、ドイツではどのような入れ歯で治療されているのでしょうか。

テレスコープの入れ歯の歴史は1886年に始まり100年以上の歴史があります。

その間、ずっと改良、進化し続けて現代にいたっているため、非常に精密で、歴史のある入れ歯です。

ドイツ人は硬い食べ物を好みます。実際ドイツに行ってみると、パンもとても硬くて相当丈夫な歯でないとかむ事ができません。日本人が「柔らかくておいしい」と表現するところをドイツ人は「硬くておいしい」と表現します。

そのような食生活に耐えられる入れ歯でなくてはいけません。

そして、日本では合わなかったり壊れたりすると何度も作りなおしをしますが、このドイツの入れ歯は一度作ったら、修理しながらずっと使うことが可能です。

いろいろな種類のテレスコープがある中で、稲葉歯科医院ではリーゲルテレスコープ、コーヌステレスコープ、レジリエンツテレスコープでほとんどすべての症例を治療することができ、患者様にも満足いただいております。

それぞれのテレスコープの違いについて書いていきたいと思います。

コーヌステレスコープ

コーヌスとは円錐形の意味で、歯に直接接着させる内冠と入れ歯の本体、外冠により構成されています。

(二重に被せる方法)

内冠は円錐形で角度は6度(コーヌス角)、維持力は内冠、外冠のくさび力によります。(同じ形の紙コップを重ねると、ぴったりくっついて離れなくなります。その力を利用しています。)

装着の最後で内冠と外冠がカチッとはまるとはずれなくなります。

はずし方は入れ歯に指がかかるくぼみを作っておいてそれを持ち上げるとはずれます。

この角度は歯の状態により調整することができます。

コーヌステレスコープは神経のない歯には適応ではありません。

歯の残っている場所によっては禁忌症もあります。

リーゲルテレスコープ

コーヌステレスコープが内冠、外冠の維持力をくさび力でしているのに比べて、リーゲルテレスコープは内冠、外冠に維持力をかけません。

そのかわりに入れ歯に小さな鍵のような装置を付け、この鍵の開閉によって入れ歯が簡単に着脱できるようなしくみになっています。

神経のない弱い歯に対しても適応できる入れ歯です。

コーヌステレスコープが内冠が一本一本離れているのに対して、リーゲルテレスコープは内冠が連結固定してあります。

 見えないところに鍵をつけるため、保険のクラスプのように見かけが悪くならず、審美的に優れています。

笑った時に見えるのは、白い歯だけ。という状態になります。

レジリエンツテレスコープ

3歯以内の歯が残っている場合に適応されます。

レジリエンツの維持は粘膜です。

粘膜は入れ歯により沈み込むため、内冠にもその分隙間をあけて作ります。

コーヌステレスコープとリーゲルテレスコープの禁忌症に適応されます。

 

テレスコープによる入れ歯の特徴

  • 年月の経過とともに変化するお口の状態に応じ、いつでも修理をすることができるため、長く使うことができます。(保険の入れ歯は、歯が抜けるたびに毎回作りなおしが必要です。)
  • 残っている歯の喪失を入れ歯により予防ができます。(連結固定することにより歯が動くのを止めることができるため)
  • 入れ歯であることが周囲に気づかれないほど自然です。
  • 快適な装着感です。

テレスコープクラウンには削った歯に直接セメントでつける内冠と歯の解剖学的、機能的形態(歯と同じ形)をした外冠から構成されています。

テレスコープクラウンには色々な種類があります。

ドイツでもたくさんの形のテレスコープがありますが、ドイツの歯科医院、技工所を見てきた中でやはりリーゲルテレスコープがいちばん優れていると思いました。 %E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%AB%E5%86%85%E5%86%A0.jpg  

リーゲルテレスコープ内冠

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リーゲルテレスコープ外冠
テレスコープシステム
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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

プライベートブログ