«  2015年6月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

« 『リーゲルテレスコープセミナー』開催されました☆ | メイン | 『顎関節症の臨床と治療』開催されました☆ »

2012年3月12日

こんにちは。

IPSG事務局、稲葉由里子です。

2012年2月11,12日、 『パーシャルデンチャーの設計と製作実習コース』がKAVOセミナールームで開催されましたので、ご報告させていただきます☆

 

028.JPG

「パーシャルデンチャーの修復に際し、必要な知識と技術はクラウンブリッジの要素から総義歯の要素まで必要です。パーシャルデンチャーは総義歯になるための移行義歯では決してありません。」

「インプラントがあるから、パーシャルデンチャーは必要ないという人、じゃまだったら抜いてインプラントにすればいいと言う人もいます。本当にそうでしょうか?あまりにも無知すぎます。皆さんにはパーシャルデンチャーの正しい知識を身につけてほしいです。」

と最初に話がありました。

ドイツの歯科大学では、パーシャルデンチャーの設計を教授の前で、発表したり、お互いが言い合ったりという時間が当たり前に授業の中にあります。
自分で考えた設計に対して教授を含めてみんなで議論するそうです。

日本では、国家試験のための問題をマークシート方式で丸覚えのため、日本ではパーシャルデンチャーの知識がとても欠けてしまっています。

 
2012%20PD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%20011.JPG

8020の達成の鍵はパーシャルデンチャーです。

現実は85歳で6割が総義歯ということは、私たち歯科医師の存在価値を疑われてしまいます。

まずは、歯が抜けるのは老化現象ではないということを理解して頂きたいと思います。

患者様の現在ある歯をいかに長持ちさせることができるかということに集中して設計をしないといけません。

欠損を埋めるだけがパーシャルデンチャーではありません。

クラスプが曲者です。

レストの付属品がクラスプなので、最初にレストの設計をします。

クラスプは義歯が外れないためのものと考えてください。

支持と維持の認識が大切です。

と話がありました。

2012%20PD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%20028.JPG

IPSG副会長の岩田光司先生からも実際の症例をまじえて講義がありました。

岩田先生は、患者様にわかりやすく説明するのがとても上手です。

たくさんの症例をみさせていただきました☆

2012%20PD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%20026.JPG

パーシャルデンチャーの設計で大切な事は全身から診断する。

すなわち三次元的に基準面を揃えることが大切です。

クラスプは歯を傾斜移動させて、揺らしてしまいますが、テレスコープは歯体移動のため、歯の歯軸方向に力が加わるため、歯牙を動揺させません。

ということで、テレスコープについてもたくさんの話がありました。

2012%20PD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%20043.JPG

ラボ・インテック代表の高木先生のデモンストレーションの様子です。

レジリエンツテレスコープ、コーヌステレスコープの作り方を実際に先生方にみていただきました☆

コーヌステレスコープも設計を間違えると歯根破折を起こします。
失活歯を維持に使うとだいたいが割れてしまいます。

そういうこともすべて考慮して設計するので、一つ一つの症例に真剣に取り組む必要があります。

030.JPG

そして、色々な欠損症例の模型を使って、シュパルテ、トーションバー、リンガルバー、金属床の設計をしました。

インプラントとテレスコープのコンビネーションについても、

遊離端の義歯のアンカーとして使用することによって粘膜の沈み込みがおさえられ、(遊離端義歯は、0.3から0.5㎜の沈み込みをします)義歯が確実に安定し、骨吸収を抑えることができるので、非常に有効だという説明もありました。

参加いただいた先生方から、本当にたくさんのご質問をいただき、内容が濃く、充実した時間でした。

先生方から感想を一部ご紹介いたします☆

☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆。,・~~・,。★。

◆学校で教わっただけでなんとなくになっていた義歯の設計を総復習でき、なおかつ新しい技術についても習うことが出来たので自分としては驚きの連続でした。是非明日からの臨床で活かしたいです。

◆設計の手順、積杯線といった大切な話を改めて聞くことができてとても楽しく勉強になりました。学ぶことの楽しさ、大切さを改めて感じることが出来ました。有難うございました。

◆患者さんの歯、健康を守る方法見つかったという感じです。

◆設計の話で大連結子の形、支台歯の数などよくわかりました。

◆テレスコープについては知識ゼロでしたので正しいテレスコープを学ぶことができて本当に有意義でした。今日も学んだことを何度も復習したいと思います。

◆もっと深く学ばなければならない内容が多いとつくづく感じました。リーゲルの作製法などは技工士さんの教育も必要だと感じました。

◆パーシャルデンチャーはクラスプとパラタルバー(リンガルバー)だけしか知らなかった。
メジャーコネクタに種類があること自体知らなかった。トーションバー、シュパルテなど初めて習った。

◆自分が今までやってきたことを検証する意味で非常に役に立っています。方向性は間違っていなかったと思いますが手段や方法が違っていました。基本は「自 分の患者さんを守る」ということを考えていきたいと思います。資料やステップ毎の進め方などもっと詳しく教えて頂ければと思います。

◆今日も目からウロコの話ばかりだった。設計に関してすごく勉強になりましたがテレスコープを始めるにあたり技工の問題など不安があります。飯塚先生から明日からやれと言われたことを頑張ります。有難うございました。

◆トピックスの連発ではなく、いつもながらどっしりとした王道に触れることが出来ました。

☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆。,・~~・,。★。 

ご参加いただいた先生方、2日間、本当にありがとうございました。

また、会場を提供いただいた、カボ・デンタルシステムズ・ジャパン のスタッフの皆様にもお礼申し上げます。

バレンタインデーが近かったこともあり、こんなおもしろいチョコレートを皆さんにプレゼントしてくださいました☆♪うれしかったです(^_-)-☆

 

  2012%20PD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%20050.JPG
Powered by
本サイトにて表現されるものすべての著作権は、当クリニックが保有もしくは管理しております。本サイトに接続した方は、著作権法で定める非営利目的で使用する場合に限り、当クリニックの著作権表示を付すことを条件に、これを複製することができます。
稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

プライベートブログ