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2010年2月24日

歯科材料の問題点

自分の歯を少しでも多く維持していくことが重要なのはいうまでもありません。

残念ながら一本でも失った場合は、適切な治療、義歯の作成によって残りの歯を守っていくのがさらに大切になります。

最近の歯科材料の進歩により、むし歯の治療法や材質は以前に比べてとてもよくなっています。

むし歯になった歯を自然な外観に修復する場合の治療について考えてみましょう。

まず、患部を削り、歯のまわりに保険のきく硬質レジン(合成樹脂の一種)で人工歯をかぶせるとします。

すると、二~三年たつうちに変色しはじめ、本来の自分の歯と人工歯の区別がつくようになってしまいます。

硬質レジンは水分や熱に弱く、口の中に入った食べ物の刺激で膨張、収縮をくりかえし、そのすき間に色素の沈着がおこります。

これに対してセラミックは熱や酸、アルカリに強い性質があるので、耐久性にすぐれています。

私も実際、セラミックを作る実習に参加したことがありますが、一本作るのに(講義もありましたが)朝から終電までかかりました。

慣れていないということもありましたが、ある程度、歯の形状や色も把握してるはずなのに・・・・こんなに奥が深いんだ・・・・と感じた一日でした。

色も25色ぐらい使って、周波状という天然歯にはある細かい線をいれたり、プロの技工士がつくると一見本物の歯です。

セラミックにも2種類の方法があります。

ひとつは白金加金(ゴールド)にセラミックを焼きつける方法で、もうひとつはジルコニアという天然石を使った方法でヨーロッパ、アメリカでは主流になっていますが、日本では最近認可され入ってきた方法です。

違いはジルコニアは金属を使わないため、透明感がだせるということです。

どちらも生体に安全な材料を使用するため安心してお口の中に使えます。

セラミックは保険がきかないので自費診療になりますが美しさと機能は保険の硬質レジンよりもはるかに勝まさっていると思います。

部分入れ歯をいれる場合

歯を失ったら義歯で補う必要があります。

自分の歯ほどの機能は望めないとはいえ、一本の喪失は、ほかの健康な歯にも悪循環を与えますから、適切に処置する必要があります。

抜けた歯が数本以上で、まだ残っている歯がある場合、取り外しのできる部分入れ歯をいれるのが、一般的です。

具体的には、自分の歯にばね(クラスプ)をかけて、義歯を固定させる方法をとります。

この方法は保険が適用されますが、できるだけ健康な歯を残すという意味では問題があります。

というのは、この部分入れ歯で物を噛むと、入れ歯が下がり、その力がばねを問うして歯にかかります。

歯の動きに合わせて歯を揺らしてしまうことになり、健康な歯をグラグラにしてしまう危険性があるからです。

すでにドイツでは、ばねのかかる方法は歯科大学の授業にもでてこないほど、旧式なものとされています。

自費診療によるリーゲルテレスコープ

一方、残っている健康な歯を痛めないで、長期間グラグラしない部分入れ歯もあります。

これをリーゲルテレスコープといいます。

リーゲルテレスコープのことについては以前くわしく書いてあるので、上のところをクリックしてみてください!

稲葉歯科医院の金属はすべてスイスのMetalor社のものを使っています。

リーゲルテレスコープはMetalor社のオロフロイド3という非常に精度が高く、生体に安全な金属を使用しています。

歯を失うこと、あるいは歯の状態が悪いということは脳にも影響を与え、寝たきりやぼけを招きます。

歯がなくなったら、入れ歯にすればいいとか、何本か残っているが面倒だから総入れ歯にしよう、などと考える人がいます。でもこれは大きなまちがい!一本でも多くの自分の歯を生かすことはとっても大事です。

歯の根には歯根膜とよばれるセンサーがついていて、無意識にものをかんでいるとき、何か固いものが混ざっているなどの異常があると、すばやく口の動きをとめることができます。歯が抜けてしまうと、こうしたセンサー機能も失われてしまうので、想像以上に不自由です。

このセンサーは残念ながらインプラント(人工の歯の根)にもありません。

【8020 20本の健康な歯を生涯保ちましょう】

8020運動という言葉を聞いたことありますか?

これは80歳で20本のはを保とうという、厚生省が始めた運動です。

20本という根拠は、500人のおとしよりを対象に、「歯が何本あればかめるか?」という調査をしたところ、使える歯が20本以上あればたいていの物は食べられるのに、それ以上だと食べられない物がでてきたことによります。

日本での平均寿命から考えると高い目標ではありますが、健康で快適な老後を送るためにも、ぜひ、クリアーしたい目標です!

歯には寿命があるのでしょうか?いいえ、大切にすれば一生もちます!!

年をとると入れ歯にするのが当然、と思っていませんか?

歯は本来、一生使っていくことができるはずの寿命を十分にもっています。

では、どうして歯を失ってしまうのでしょう。

歯のお手入れに問題があり、歯槽膿漏になって歯を失うという場合と、歯を失った時の処置も問題です。

一本でも歯を失ったままにしておくと、失った歯の方向に全体が移動していき、かみ合わせの悪さと歯に加わる微妙な力によって健康な歯も悪影響を与えます。

一本が悪くなったときに、自分の歯に合った最善の治療をしてもらうことで、歯の寿命をさらに延ばすことができます。

「歯は基本的に一生もちます。歯の喪失は老化現象なのではなく、お手入れや治療の問題です」

歯を失う平均年齢を、歯の種類別に調べた統計があります。

親知らずを除外して。最も早くうしなわれるのは、下あごのいちばん奥の大臼歯で、女性の平均が41歳、男性では44歳となっています。

次が隣の大臼歯です。

全体でみると、おおむね50歳から55歳にかけて少しずつ抜け始めます。

歯を失う原因の最大のものは歯周病です。年齢に応じて加速度的にはがなくなっていく傾向が強いです。

昔はむし歯が原因で抜歯をすることも多かったのですが、治療技術の進歩により少なくなりました。

歯周病は歯を支える歯周組織そのものが破壊されるため、重症のものは、抜くよりほかに方法がなくなってしまう場合もあります。

歯周病の怖いところは当初、自覚症状がないうちに進行していくことです。

若い世代でも危険性はありますが、40代くらいからは、定期的に歯科医院に訪れて、予防、治療の指導を受けることをおすすめします。

生涯自分の歯で食べられるかどうかどうか、この中高年の世代での歯周病対策にかかっているといってもいいでしょう。

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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

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