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2014年12月 3日

ISOI国際口腔インプラント学会学術大会に参加するために、大阪に行ってきました♪

DGZIは、今年4月にIPSG20周年記念特別講演会にお招きした、ドイツTuebingen大学のWeber教授が代表を務める学会です。

会員数は世界中で4000人を越えるそうです。

今回参加させて頂いた目的のひとつは、やはりWeber教授にお会いしたいということもあったからでした(^_^)

最初の講演は、Vollmer教授による

「 チタン既製クラウンの主要部分と新しいプラスチック材料を用いCAD/CAMで作製したクラウンを組み合わせる二重クラウンの臨床的応用について」

ということで、テレスコープシステムやコニカルクラウンについてのお話を聞く事ができました。 

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テレスコープシステムは、

Starr R.Walter a dentist from Philadelphia/USA reported in 1886 about a removable bridge made of double crowns.

とあるように128年に及ぶ歴史ある技術だというお話をされました。

そして、1969年にKoerber教授により、ドイツでブレイクスルーが起こりました。

conical crowns with a defined angle of convergence. 

コーヌスクローネですね♪

テレスコープシステムがブレイクスルーした真っ最中に父である稲葉繁先生が幸運にも、ドイツへ留学していたということになります。  

ISOI12.jpg

レジリエンツテレスコープについてもお話があり、大変びっくりしました。

なぜなら、開発されたのはTuebingen大学なので、ドイツでも一部の先生しか知らない方法だと思っていたからです。

Vollmer教授ご自身、20年経過症例をお持ちで大変長持ちするテレスコープだとおっしゃっていました。

Resilience telescope:

Primary and secondary parts should have some backlash in occlusal region in order to have some space on top of eace other under load,so called resiliency.

とお話されていたように、軸壁はパラレルでトップのところに歯根膜の沈み込み分、緩衝腔を設けています。 

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ドイツでは古くからの歴史あるテレスコープは、Vollmer教授の臨床経験から明らかに、テレスコープとコニカルクラウンの使用はインプラントの上部構造に、とても有益な方法だとおっしゃっていました。  

インプラントの上部構造をテレスコープにする【利点】は

  • 口腔外での修理が可能。
  • 歯周衛生が適切にできること。
  • 高齢者にも簡単に取り外しができること。

【欠点】として、  

  • 歯科技工士のレベルが相当高くないといけないこと。
  • コストが非常にかかること。

などを挙げられていました。 

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そして、今回新しい材料、PEEKのテレスコープ応用についてお話がありました。

Vollmer教授はガルバノによるテレスコープもされますが、最近ではこの材料を好んで使われているそうです。

医学では人工関節などで使用されている材料だそうです。

でも・・・

日本の薬事を通って応用されるようになるには、遠い先のような感じがしました(-_-) 

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ドイツでは歯が強くなくてはいけない。

日本のように小さな食べ物ではなく大きな食べ物をちぎらないといけないのです。

なんて、お話をされていました。笑 

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そして、Weber教授の講演です♪ 

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座長は、IPSGでも講演をしてくださった神奈川歯科大学付属横浜クリニックインプラント科の林昌二先生 です♪

来年から定期的に林先生に講演をお願いする予定なので、どうぞお楽しみに(^_<)-☆ 

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Weber教授が素晴らしい方であることの理由がよくわかりました。

必ず、講演前に日本の友人、お世話になっている方へのお礼や感謝の気持を述べられるところです。

今年の4月に我が家の自宅に招かせて頂いた写真や、IPSGのパーティーの模様、父、稲葉繁先生に対する感謝の気持をお聴きする事ができ、早速父にも伝えようと思いました。 

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講演では、スパークエロージョン(放電加工)による可撤性、固定性補綴物の最も高度な技術について、その後の可能性も含め、目が覚める様な、素晴らしいお話されました。 

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リーゲルテレスコープ、旋回リーゲルとインプラントの応用について、

放電加工による、Co-Cr-Mo合金を用いた症例をいくつも見ることができました。 

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テレスコープの着脱方法の決定にはコナトアの使用は欠かせません。

インプラントによる補綴物に関しても必要だと思いますが、日本ではあまり普及していないように感じます。 

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動画による放電加工の様子を見る事ができました。

テレスコープには高い精度が求められ、複雑な技工過程が伴います。

インプラントの安定化のためにも、放電加工は大きな可能性を秘めていると感じました♪

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最後に、一緒に記念写真を♪

来年、10月にIPSGのメンバーでWeber教授がいらっしゃる、Tuebingen大学を訪問することになりました。

ちょうどオクトーバーフェストの時期でもありますし、これから、楽しい企画を立てようと思います(^_<)-☆

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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

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