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2014年1月15日

こんにちは。

稲葉歯科医院、院長の稲葉由里子です。 

1月13日、当院顧問の稲葉繁が代表を務めるIPSG20周年特別講演会関連セミナーとして、『テレスコープシステムセミナー』が 開催されました。

今回、大変素晴らしいゲストスピーカーをお招きいたしました(^_^)

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神奈川歯科大学付属横浜クリニックインプラント科の林昌二先生です。

林先生とは、昨年開催された、ISOI国際インプラント学会へ出席させていただいたときに、IPSG20周年にお招きする、Weber教授よりご紹介いただきました(^_^)

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林先生は1989年にドイツ、チュービンゲン大学、Weber教授のもとに留学をされました。

稲葉先生が1978年、およそ10年後ということです。

今回お話いただいたテーマは、

『可撤性電鋳上部構造について』 

ということで、ドイツの最先端の歯科技術についてでした。

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林先生は、DGZI日本支部の初代会長をされ、ドイツから日本へ、日本からドイツへ

インプラントの歴史を繋ぐ、国際交流の架け橋をされています。 

ドイツ人は良いものを長く使う国民性があります。

アメリカは、新しい技術がめまぐるしく変わりますが、ドイツではほとんど変わらないように見えますが、 それだけ安定していると言えるでしょう。

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Tuebingenとの出会いということで、すごい記事をみせていただきました。

33歳という若さで教授となったWeber教授のお写真です。

こちらQDTの記事の中には

『チュービンゲン大学補綴第2講座の主任教授、Hener Weber博士が本学術大会において"固定性および可撤性の補綴における新しいテクニック"について講演される。1982年からチュービンゲン大学の教授となり、世界的に活躍している若手のホープである。〜中略〜西ドイツといえば、すでにご承知のごとく、アタッチメントコーヌスクローネをはじめとして、新しい治療様式の開発がさかんなメッカである。Weber教授は補綴学分野において新しい技術の開発を行っている事から考えて、いかに先駆的な研究をしているかわかっていただけるだろう。・・・』

というような内容で紹介されていました。 

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右下の写真は、林先生のお嬢様がWeber教授にプレゼントされた似顔絵だそうです。

ドイツ人は、既成のものを贈り物にするよりも、気持ちが入った手作りの贈り物をする方がずっと喜ばれるそうです。

この似顔絵も教授室に2年ぐらい飾られていたとか・・・(^_^)

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セミナーの中で林先生は、家族でドイツへ留学されていたので、今の人間関係を築く事ができたとおっしゃっていました。

大切は人といかに長く大事な人間関係を結ぶか。

は、ドイツでは特に一番身近な家族の存在が大きいということです。  

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林先生はチュービンゲン大学にインプラントを勉強しに行ったそうですが、Weber教授をはじめとする、先生方は、インプラントはどこでも学べるので、日本に戻ってからもできる研究の方がいいのではないかということで、

『電鋳加工』

について、大変熱心に研究を行ってきたそうです。 

日本ではなかなか受け入れられない風潮があるようですが、

ドイツでは、

「誰が行っても同じゼロフィッティングできる技術があればいいのではないか」

という考えだとお聞きしました。

鋳造や混水比による誤差を生じません。 

誰が行っても同じ効果を得られて、誤差がない道具。

ドイツ人らしい考え方だと思います(^_^)

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林先生の技術はどっしりとしたドイツ流で、IPSGの先生方との共通点も非常に多くあるように感じました。

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林先生は、ヨーロッパ補綴学会で、電鋳の発表をずっと行ってこられました。

日本ではごく一部の先生方しか電鋳の効果を実感していないのが現状だそうです。

林先生も、天然歯とインプラントの上部構造に、ドッペルクローネ(テレスコープシステム)で対応されていましたが、なにも問題がないとおっしゃっていました。

精度がいいということが、問題のない理由だと思います。  

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インプラントの植立位置を考える、咬合と応力がどこにかかるかをきちんと設計しないといけません。

この症例だと上顎の真ん中にすべて応力が集中することが、想像できます。

この10年の間に、インプラント治療をされた方の高齢化が一気に増えると予想されます。

その際、メンテナンスをしやすい形にすることが非常に大切だと感じます。

取り外しができる構造に移行していく必要性についてお話をいただきました。

ただ、歯がないからインプラントをするのではなく、将来患者様がどのような状態になるかを想像して、次の一手二手を打つ必要があるとおっしゃっていました。  

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ドッペルクローネによる、インプラントと天然歯のコンビネーション症例など、他にも沢山の症例をみせていただきました。

ドイツ人のインプラントの設計は、最近見る、All-on4,6などに比べるとかなりしっかりとした印象がありました。

ドイツ人は、良いものを長く使うという国民性があります。

材料も新しいものに飛びつかず、10年残っている歯科材料にこそ信頼を持って使う事ができる。

とおっしゃっていました。

約2時間、大変貴重なドイツの最先端技術をご講演くださり、大変刺激的な内容でした。

その後の質疑応答でも、沢山の先生方からのご質問に丁寧に答えてくださいました。

今年の4月27日に開催される、IPSG20周年に繋がる素晴らしいセミナーだったと思います。

林先生、本当にありがとうございました☆♪ 


2014年1月14日

2013年を締めくくる、学術大会が開催されました☆♪

沢山の先生方から素晴らしい発表をいただきました。

そちらに関しては、後日IPSGのサイトでご報告させていただきたいと思います。

今回は、特別講演をしていただいた、牧師の関根一夫先生のご講演の様子をご報告させていただきます(^_<)-☆ 

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今年の学術大会の特別講演は・・・わたしが中学生の頃から、30年来の友人でもある、牧師の関根一夫先生です☆♪ 

関根先生のプロフィールをご紹介させていただくと、

日本大学文理学部哲学科卒業

南オーストラリア聖書大学卒業

日本大学大学院文学研究科博士前期課程修了(哲学専攻)

東京コンピュータ専門学校校長

お茶の水クリスチャンセンター理事長代行などを歴任

現在、東北福祉大学感性福祉研究所研究員

医療法人社団信悠会木村クリニック理事日本臨床美術協会副理事長

ミッション・エイド・クリスチャン・フェロシップ牧師

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プロフィールをご覧頂いてもお分かりのように、彼はただの牧師ではありません。

コンピュータ専門学校の校長先生もされていたので、ITに強くまた、音楽家でもあるので、ギター、ウクレレを弾いたり作曲をしたりする、スーパー牧師なのです(^_^)

現在は、医療法人社団信悠会木村クリニック理事をされていて、鬱病の患者様、心の病気のカウンセラーとしても活躍されています。

そして、私の大事な相談相手でもあります。

患者様の悩みをどんな風に聞いてあげたらいいのか、などいつも的確なアドバイスをいただけます。

学術大会で、牧師さんのお話というのは、たぶん歯科界で初めての試みだと思います。

ですが、私は関根先生といつもお話をしていて、私たちの分野と非常に関係が深いとずっと前から感じていました。

先日、関根先生が診療に患者様としてみえたときに、(笑)

「IPSGの学術大会でお話していただいてもいい?」

とお願いしたところ、

「OK!」

と二つ返事で承諾いただきました。 

今回お話いただいた内容は、

『機能論的人間観と存在論的人間観についての考察』 

それは、コミュニケーションの土台のお話です。 

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彫刻家の金子健二氏、脳外科医の木村伸氏、そして関根先生と、認知症患者様のリハビリプログラムをたてました。

認知症の方々を介護している家族は、

●いつまでつづくのか。

●どんなに悪くなるのか。

●どう取り扱ったら良いのか。

という、苦悩を常に心に抱いています。

彼らの心のケアをどのようにしたら良いのかという、お話をいただきました。 

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そして、今回のテーマである、機能論的人間観、そして存在論的人間観についてお話をいただきました。

関根先生の抄録を読ませていただいたところ、かなり難しい内容で、何度読ませていただいても理解できなかった私でしたが、

彼のウィットに飛んだお話を交えてお聞かせいただいたため、会場にいらっしゃった全ての先生方を引き込んでしまいました。

機能論的人間観を否定せず、存在にこそ意味がある、存在論的人間観を添えることの大切さについてお話いただきました。

人間の脳は、行きたい、知りたい、仲間になりたいという指向性を持っています。

「いてくれてありがとう。」

「いてくれて嬉しい。」

という言葉は使われているようで使われていません。

いても良いという安心感、居場所を提供してあげることの大切さについて、関根先生自身が体験した話を交えてお話いただきました。

患者様に対しても同じです。

「大変でしたね。」

とひと言添えるだけで、安心感を覚えます。

他にも、子供を育てる、人を成長させるために非常に大切なお話をいただきました。

最後に、ある少年のお話をいただきました。

わたしは感激のあまり、しばらく恥ずかしいので我慢していたのですが、鼻水がでてきてしまったので、ハンカチで拭ったとたん、号泣。

わたしだけかな・・・と思ったら、会場にいるほとんどの先生方が、同じ気持ちでした。

20年続いた学術大会で、これだけの方がすすり泣きするような講演ははじめてです。

悲しい話で泣いたのではなくて、感激して泣いてしまうのです。

講演報告を記録しようと思って、PCの画面をみているのですが、涙で字がくもって、打てませんでした。

こんなこともあるのですね。

患者様への気持ちのケアの重要性を、一夫さんの今回のお話で、みんなが意識できたと思います。

学問の話も経営の話、患者様の心のケアはもちろん大切ですが、実は私たち自身の気持ちも、定期的に見つめ直す必要があるのではと感じました。

コミュニケーションの土台を関根先生から教えていただきました。  

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pastor.kaz@gmail.com ←こちらが関根先生の連絡先です♪

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わたしも、毎朝彼のメールマガジンで気づきをいただいています(^_<)-☆ 

特別講演終了後は、関根先生の周りに人だかりができるほど、先生方の心に響きました。

ご参加いただいた、先生方が心が一つになるようなお話をいただきました。

関根先生、そしてご参加いただいた先生方、本当にありがとうございました!! 

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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

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