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2013年10月 8日

「日本の歯科医療は果たして日進月歩でしょうか?」

こちらは、100年前にスイスで発刊された歯科の専門誌です。

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上が100年前の治療、下は現在の日本で一般的に治療されている方法です。

残念ながら、100年前より進歩しているとは思えません。

日本では、入れ歯の評価が低く、保険だと、やってあげたいこともやってあげられない。

私たち歯科医師が今まで患者様のために最善の技術を学んできたことを提供することすらできません。

予防に保険は効かず、治療に浅く広く適応されているのが、今の日本の保険制度です。

日本の場合、一番問題となるのは、6ヶ月ごとに入れ歯をあたらに入れる事が出来る制度になっていることです。

このために、生涯多くの義歯を作り替える事になってしまいます。

患者様も多少合わなくてもいいのだ、という考えをしてしまう。

これはとても恐ろしいことだと思います。

それよりも、たった1個の入れ歯でも、それがすごく長持ちをして、口の中で具合よく機能している質の高い入れ歯の方がずっといいのは、言うまでもありません。

ドイツ人のそのような考えによって生まれたのがテレスコープシステムです。

安易な治療をバラまくのではなく、よい治療を行うべきです。

昭和21年から25年に生まれた団塊の世代、今定年を迎えていますが、 予防は一切やってきませんでした。

そのような方たちの歯を予防として、削らない(MI)をしていたら、反対に歯を失ってしまいます。

全面的に介入する必要があります。(予防補綴)

残念ながら、保険治療の入れ歯でその場しのぎの治療をしていても、、総入れ歯になるのを待つだけです。

今こそ、ドイツで開発されたテレスコープシステムが日本で求められていると強く感じます。


▼精密で長持ちのする部分入れ歯「テレスコープシステム」とは?

実は、歯科治療先進国・ドイツでは「テレスコープシステム」という入れ歯を使っています。これは保険の部分入れ歯と違い、維持装置に金属のバネを使わず、「はめ込み式」の装置を使った入れ歯のことを表します。

諸外国の中でも入れ歯において最も技術が進んでいるとされる、ドイツの入れ歯テレスコープシステムの歴史は1886年に始まり120年以上の歴史があります。

その間、ずっと改良、進化し続けて現代に至っているため、非常に精密で、歴史ある入れ歯として高い評価を得ています。

費用はかかっても質の高い、長持ちのする治療をうける、ドイツ人の考えから生まれたものです。


▼ドイツ最先端義歯とテレスコープの融合

120年以上の歴史を持つ、テレスコープシステムですが、近年インプラントの技術が発達したことにより、さらに改良されました。

今回、IPSGの20周年記念とうことで、ドイツチュービンゲン大学補綴科教授である、Prof.Dr.H.Weberをお招きすることになりました。

ドイツ最先端の入れ歯についてお話いただく予定です。

現在の日本で行われているインプラントについて、そして新しく変貌と遂げたテレスコープについて少し触れておきたいと思います。

現在、インプラントの上部構造は、固定性補綴物(患者様が取り外しができないタイプ)で行うのが普通です。

現在の日本の歯科医療は主にアメリカから影響を受けています。

アメリカのインプラント上部構造も固定性補綴物で行われるのが普通です。

しかし、すべてのケースで固定してしまう事は危険も伴います。

インプラントの本数が多ければ多いほど、感染のリスクにさらされ、プラークコントロールも大変になります。

そこで、本数を少ないインプラントを土台とした技術が主流となりました。

しかし、そのうちの1本がインプラント歯周炎などで感染すると、すべてに影響が及ぶリスクが高い事も事実です。

そこで、もし取り外しのできるテレスコープシステムが上部構造だとしたら・・・

患者様が自由に取り外しをすることができるので、プラークコントロールが出来、衛生的になります。

また、取り外しができるということは、床をつけることができます。

それにより、インプラントを守ることもできますし、万が一、インプラントにトラブルを生じても、上部構造のテレスコープシステムを取り外し、修理することで対応することができます。


▼インプラント体と、天然歯のコンビネーションケース

インプラントには歯根膜という天然の歯に備わっているクッションがありません。

インプラント体と歯槽骨は直接インテグレーション、結合しているので、天然歯と結合することはできません。

極端な例ですと、少数残存、少ない本数の歯は、あえて天然歯を抜歯までして、すべてをインプラントに変えてしまう様な常識から外れた様な事も行われているようです。

ドイツでは以前から取り外しができる可撤性補綴が多く行われていて、特にテレスコープシステムを利用したものが盛んに用いられていました。

テレスコープシステムは歯根膜負担から粘膜負担のケース迄の症例に応用することができます。

これを応用する事で、取り外しができる補綴物で、天然歯とインプラントのコンビネーションが可能となります。

ということで、今回ドイツにおけるインプラントとテレスコープシステムを使用した補綴法の第一人者である、Prof.Dr.H.Weberが来日され、テレスコープシステムとインプラントを複合された補綴について20年の長期症例を交えて講演していただくので、乞うご期待です!!

ドイツ最新入れ歯について〜その3〜では、ドイツの歯科事情について触れたいと思います。






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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

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