【ドイツの入れ歯、レジリエンツテレスコープとオールオンフォー】
【ドイツの入れ歯、レジリエンツテレスコープとオールオンフォー】
最近、ご相談にみえる患者様の中で、
「以前歯科医院でオールオンフォーを提案していただいたが、入れ歯も見直してみたい。」
とおっしゃる方が非常に増えたように感じます。
※オールオンフォーとは、総入れ歯や沢山の歯を失った方に4本のインプラントを土台にして入れ歯を入れる方法です。
私は、インプラント治療は行わないし、専門でもないのですが、オールオンフォーに普通に疑問に感じることがいくつかあります。
まず、
インプラント治療の歯周のメンテナンスは通常の歯の何倍も大変です。
多くの歯を歯周病で失った方がインプラントをすることで、また同じことを繰り返してしまうのではと思います。
また、多くの方が骨量が減少しています。
4本で支えるインプラントは無理な力がかかります。たとえ弱い力でも入れ歯の力がそのまま伝わってしまうので、インプラントは支えきれなくなる可能性があるし、骨の吸収も激しいと思います。
その時は良かったとしても、例えば40歳で治療したとして、その後何年の間使うことができるのだろう・・・
ということです。
とはいえ、
取り外しをしなくてもいい。
というプライドが保たれるのが、オールオンフォーかもしれません。
でも、もし、他人から気づかれないような入れ歯があるとしたら・・・・
もうひとつの選択肢として考えていただくことが出来ると思います。
外科治療の必要はありませんし、骨の量が少なくても問題ありません。
それは、ドイツ、チュービンゲン大学で開発された『レジリエンツテレスコープ』という入れ歯です。
レジリエンツテレスコープは、自由に口元を作ることができるので審美的に非常に優れている入れ歯として、当院では患者様に大変喜ばれています。
人工歯はヨーロッパのリヒテンシュタインにあるIvoclar社の
SRビボデントPE(前歯)
SR オーソシットPE(臼歯)
を使用しています。
明度とパールのような輝きがあるSRビボデント PEのレジン前歯は、高い硬度、高密度、耐溶解性、耐変色性があります。
SRオーソシットPE (臼歯)は、噛み合わせの機能を発揮できる幾何学的形態を持ち、噛み合わせの安定が良い運動を得ることができます。
美しさと機能を兼ね備えた素晴らしい人工歯だと思います。
そして、ドイツの入れ歯は夜ははめたままお休みいただけます。
オールオンフォーは4本のインプラントだけで、沢山の歯(14本分)を支えますが、レジリエンツテレスコープは、粘膜負担義歯と呼ばれる義歯なので、支えている歯に無理をかけません。
骨の吸収、それに伴う炎症を極力抑えられる設計となっています。
また、ご自分の歯を抜くことなく、利用できるのが特徴です。
本来抜かなくても良い歯を抜いてオールオンフォーをする事は、私はあまり賛成ではありません。
ご自分の歯を利用して支えることができる美しい入れ歯レジリエンツテレスコープは、ほとんど知られていませんが、ドイツでは長い歴史ある入れ歯として高い評価を得ています。
残っている歯の位置による、禁忌症はなく、また神経の生死に関係なく、さらに揺れている歯にも応用できるという優れた入れ歯です。
もし、残っている歯が数本で、まだ保存ができるのであれば、ぜひレジリエンツテレスコープも選択肢のひとつとして考えていただければと思います。