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2012年11月18日

こんにちは。

稲葉歯科医院、院長、稲葉由里子です。

2012年11月18日 、当院顧問、稲葉繁先生と稲葉先生が代表を務める、歯医者のスタディーグループIPSG会長飯塚能成先生の『筋機能療法+ラビリントレーナーコラボセミナー』開催されたので、ご報告させていただきます☆

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稲葉先生が大学院の頃、今から40年以上前、舌に興味があり、舌の文献を沢山集め始めました。

そして、同時に顎関節症の研究もしていたので、よく観察しているとどういうわけか、顎関節症の患者様の舌の圧痕、歯列の圧痕、口蓋鄒壁の肥厚をみつけ、気になり始めたそうです。

たまたま、30年ほど前、今の筋機能療法学会の大野先生という方が連れてこられたアメリカのツィックフーズという先生、医者ではなく医学療法士の講演を聞く機会があり、マイオファンクショナルセラピーのことを知ったと言います。

その当時は顎関節症と舌壁の関係について全くやっていませんでした。

ツィックフーズ先生の講演の後、稲葉先生は質問したそうです。

「顎関節症と舌壁の関係についてどう思われますか?」

当時の答えは、

「わからない」 だったそうです。

そして、さらに稲葉先生は一生懸命舌の働き、さらには嚥下のやり方について研究してきました。

『咀嚼・嚥下・発音』を育てるには、元をたどれば母乳からなんだということも、その時確信したそうです。

出だしを間違えると生涯の問題になります。

舌によって歯列ができ、頬でしっかりとサポートさせます。

それに合わせて上顎の歯列が並ぶのです。

このような経緯で、ラビリントレーナーを発案しました。

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今回は、正しい舌の使い方のほか、実際に間違った嚥下の方法をしていることにより発症する顎関節症の症例や舌壁の治療法について、具体的な話がありました。

昭和57年に歯科界展望で発表したマイオファンクショナルセラピーです。

当時は、この内容は早すぎたのでしょうか・・・

今読むとびっくりするような内容が書かれています。

今回参加された先生方には資料をお配りさせていただいたので、ぜひ復習していただければと思います。

舌壁と顎関節症は非常に密接に関わっています。

歯科医師の専門分野は、歯や歯周組織だけではありません。

顎口腔系、そして全身の診断が必要ですし、咬合治療は歯科医師にしかできません。

ぜひ、歯科医療を大きく見ていただきたいと思います。

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そして、今回一緒にコラボをしてくださった飯塚会長は、稲葉先生が発案したラビリントレーナーで素晴らしい結果をだしてくださっています。

ラビリントレーナーは高齢者の介護予防、麻痺や嚥下障害のある者、意識障害のある者に対してのリハビリに大変有効な器具です。

困っている患者様は山ほどいらっしゃいます。

もし、治るとしたら・・・

家族の方はどんなことをしてでも、連れて行きたいと思われるでしょう。

飯塚会長は2012年の老年学会で発表されましたが、

発表の模様

その考察の中で、このようなことを伝えていらっしゃいます。
↓↓↓
口腔機能訓練器具ラビリントレーナーを使用して口腔機能訓練をする事により舌圧、口輪筋などの口腔周囲筋ばかりでなく呼吸に必要な筋肉や姿勢を保つのに必要な筋力がアップするため、嚥下や呼吸が改善され、消化機能や循環機能の改善が見られるのではないだろうか。
またラビリントレーナーをくわえるだけで多量の刺激唾液が出るので唾液量の少ない高齢者にとって自浄作用効果が期待できる。
ラビリントレーナーは筋力ト レーニングの器具というだけでなく、特に片麻痺のある対象者が発音、嚥下機能、手指の動きの著しい改善が見られたのには驚かされた。

これは、すごいことだと思います。

呼吸に必要な筋力までアップし、消化機能、循環機能の改善も期待できるということです。

◆ラビリントレーナーの効果について

  •  呼吸や嚥下に必要な口腔周囲筋、横隔膜、腹筋、肋間金、首など体全体を使い骨格筋を鍛え理想的な姿勢作りができる。
  • 口腔周囲筋からつま先に向かってシンメトリーな筋肉作りができる。
  • 呼吸を整え、循環機能の働きを良くする
  • 口呼吸の予防
  • 嚥下から排泄までの嚥下や消化運動を刺激し活発にすることができる
  • 刺激唾液や胃液の分泌を良くする
  • エステ効果

飯塚会長のお話しは、すべて実際にやってみた結果ばかりです。

実践的で、大変わかりやすく沢山の症例をみていただきました☆ 

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飯塚会長から配布された、

ラビリン体操の資料、嚥下訓練の方法、問診票、口腔機能訓練のトレーニング表 だけでも、今回参加した甲斐があったと思います!(^^)!

いくつか、先生の症例より

◆脳血管障害で失語症の患者様、 2年リハビリに通っていてもできなかったことが、ラビリントレーナーにより、自分の意思を話せるように回復した症例は大変素晴らしいと感じました。

「ごはん、たべたい。」

とご自分の意思を伝えることができました。

◆15年前くも膜下出血で失語症

15年間開かなかった手がラビリントレーナーで、その日のうちに開くようになった症例も見させていただきました。

そして、咬合調整を組み合わせることで、両方のバランスが取れ、歩けるようになりました。

飯塚会長は、ラビリントレーナーと咬合調整の知識を兼ね備えていらっしゃったことで、患者様に大きな成果をだすことができた症例だと思います。

◆脳血管障害と右麻痺

むせる・・・ということがこんなに辛いことだとは思いませんでした。

嚥下することが難しい患者様が沢山いらっしゃるということを痛感しました。

むせるということは、人と食事ができないのです。

この方も、ラビリントレーナーによるトレーニングで、嚥下に携わる筋肉を鍛え、口輪筋など唇の筋肉をきたえることで、口を閉じて嚥下ができるようになり、むせなくなりました。

むせると、歯科治療も受けることができません。

むせる患者様を大学病院へ送るのではなく、ぜひ先生方自身で治していただければとおもいます。

毎日の継続が非常に大切というお話しもありました。


◆人工呼吸器で胃ろう

唇の力がまったくないので、唾液が口の中にたまってしまいます。

唾液を飲む練習をラビリントレーナーではじめた結果、寝たきりだった患者様が、座位の姿勢が10分取れるようになりテレビをみることができるようになった。口を閉じて寝ることができるようになった。

など、目を疑うような症例でした。

◆無呼吸 開口、口呼吸、舌根沈下

についても、ラビリントレーナーで、大きな効果を上げています。

まだまだ、沢山の症例をみさせていただきましたが、このあたりで・・・^_^ 


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今回のセミナーは実習形式とさせていただいたので、先生方に実際に体験していただきました。

稲葉歯科医院のスタッフもラビリントレーナー実習に参加です☆

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稲葉歯科医院、山吹町の、智弘先生も・・・

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望月先生も、真剣(?!)に実習しました(^_-)-☆

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こちらが今回、参加者全員に体験していただいた器具です。

実際にくわえることで、わかったことが沢山あり、びっくりしました。

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やはり、NUKは素晴らしいです☆

よ~く理解できました。

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こちらは口輪筋の筋力検査のデモです。

大津先生がモデルです(^_-)-☆

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今回、先生方自身で体験していただいたことにより、確実に体得していただけたセミナーだったと思います。

ラビリントレーナーの可能性をこれからも幅広い範囲で、ひろめていきたいと感じました。

今回53名の先生方のご参加をいただき、会場で販売させていただいたラビリントレーナーも売り切れ。

先生方にも大変満足いただいたセミナーだったと思います。

先生方から、本当に沢山の感想をいただきました。

一部ご紹介させていただきます☆♪

*:..o○☆゜・:,*:..o○☆*:゜・:,*:.o○☆゜・:,

◆動画から患者様本人の目の輝きやスタッフの笑顔など幸せな状況が伝わってきました。今後歯科医師として口腔の機能向上のために少しでも貢献できたらと思います。

◆・実習があるのはとても楽しく、実体験できたのがとても身になったと思います。自分にも舌突出癖があるとはっきりと自覚できました。
・ラビリントレーナーを使う症例を集めるにあたっての共通のルールのようなものを示して頂けると(写真の撮り方、検査内容など)やりやすいと思いますのでよろしくお願い致します。

◆口の機能を向上(改善)することで全身にいい波動が伝わるのがよくわかりました。どの年代にもいろいろな症状にも応用できると思いました。明日から実践してみたいと思います。

◆レントゲンの飲み込む動画、赤ちゃんの授乳の色々、口元や足首etc 資料として診療室に残ったスタッフにも見せてあげたかったです。とても驚きました。長生きしてよかった~。

◆ラビリントレーナーを使用した高齢者の前後がとても違うことに驚きました。口腔内の運動のみでなく全身の運動能力の変化、顔の変化などとても興味深かっ たです。口の健康は全身の健康と云う意味が少しわかった気がしました。また、乳児の使用する哺乳瓶の人口乳首に善し悪しがあったとは知らず、さらにその頃 からすでに歯列に関係するということを知り、大変勉強になりました。自分が子供を産むときやお腹に子供がいる方などに実践したいため、教えてあげたい内容 だと感じました。

◆哺乳時期からの正しい嚥下行動やラビリントレーナーを使用して障害者のQOLを高める話、どれもわかりやすく勉強になりました。動物は歯を失った時、死 を意味するとうい聞いたことがあります。ヒトは義歯により口腔機能を回復することもできますし、意識的に行動することもできます。口腔ケア=歯のクリーニ ングにとどまらず習癖に気づいたり筋機能療法もできる歯科衛生士になりたいと改めて思いました。

◆歯並びや舌癖、嚥下の仕方に授乳が正しくできているかどうか?が影響があるという事を知り、とてもビックリしました。私は哺乳瓶で育ったので正しい嚥下 ができていなかったのだなぁと実感しました。口輪筋、舌筋を鍛えることが大切だということがわかりました。ラビリントレーナーを使用した症例にはビックリ しました。あんなに元気にそうになってすごいなと驚きの連続でした。

◆乳児からの口腔機能の発達について詳しく話が伺えたのが良かった。多くの症例がみられて良かった。

◆「歯」の治療だけでなく「口腔内全域」の勉強が技巧作業にも必須であること改めて痛感しました。

◆素晴らしい成果が出ているので是非データを発表して頂きたい

◆DHがDrのかわりにできる仕事を少しずつ増やしていきたいと思いました。

◆まったく初めての分野での研究会で非常に勉強になりました。有難うございました。

◆・乳歯から高齢者まで口腔機能を回復あるいは訓練することで経口搾取できることがいかに大事かを学びました。
・また来院してくる方が年々高齢の方が増えているのでラビリントレーナーを使用して頂いて口腔機能を衰えないようにしたいと思います。

◆訪問診療などで脳血管障害後遺症による症状をたくさん見ているので使用させて頂きたいと思います。

◆続けられている飯塚先生の姿勢が素晴らしいです。

◆実習つきなので解りやすかった。講義だけだと実行できないことが多いので。

◆口腔内だけでなくそれ以外のことまで目を向けることにより患者様がより健康になるのがわかりよりいろいろなことを患者様に伝えることができるようになりました。

◆飯塚先生のケースレポートが目からうろこでした。すごく内容が充実していて良かったです。実習もあって実践的で良かったです。様々なケースに効果があるのでシステム化してマニュアル化してください。

◆患者さんの為、家族の為、自分の為生きることに必要なことを学べました。

◆嚥下と体の病気がこんなにも関係していてすぐ変化として現れることに驚きました。大変お勉強になり参加して良かったと思いました。

◆他では学べない貴重な内容で大変勉強になりました。ラビリントレーナーで患者さんが治っていく姿を動画で見て感動しました。全身とのつながりの大切さが身にしみました。今日は有難うございました。

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ご参加いただいた先生方、本当にありがとうございました☆♪

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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

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