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2010年7月 7日

名医が答える40歳からの医学相談特集


「家庭画報」という女性誌で特集され、当院顧問の稲葉繁先生が、歯科の部門の名医代表として、回答しました。

Q.唾液が出ずにいつも口に中が粘ついている。

唾液が減って、口内やのどがいつも渇いています。朝起きると口の中が粘ついているので、不快感があります。食事をするにも時間がかかり、味覚や食欲も低下しているようですが、これも何か歯の病気と関連があるのでしょうか。胃潰瘍の手術後で、現在治療薬を服用しています。

A.治療薬の副作用による可能性も。分泌促進には刺激剤や咀嚼刺激を。

唾液は口の中に入ってきた食べ物をひと塊にして胃に送り込み、栄養素を摂取する大切な役目を果たしています。また唾液にはさまざまな成分が含まれており、体の健康維持に役立っているのは皆さんご存知のことです。 唾液が現象する原因はいろいろ考えられますが、唾液がでにくくなる病気というのがあります。この場合にはやはり一度検査されることをおすすめします。

 次に考えられる事は、あなたの場合胃潰瘍を手術したとのことですので、その治療薬による副作用が働いている可能性です。胃潰瘍の治療薬には通常唾液を抑える薬が含まれているのですが、多分そのせいでしょうから、薬をやめれば治ります。 

唾液の分泌促進には、刺激剤のSSTという薬をつかう方法と、歯と歯を噛みあわせる咀嚼刺激を与える方法、すっぱい食品を食べ、味覚刺激を与える方法があります。 特に噛む事は大変重要なことですから、よく食べ物を噛み、歯を刺激してください。そうすると歯を取り囲んでいる歯根膜にある圧受容器が脳を刺激して、唾液を分泌します。

夜寝ているときは健康な人でも唾液は少なくなります。朝、口の中が粘っているのは、口の粘膜の上皮がはがれ落ちるためですから、夜中に一度水を少量飲むとよいと思います。また細菌の繁殖によることも考えられますので、一度唾液の検査をされることをおすすめします。検査では唾液の流量を調べ、ある特定な細菌の量の判定をします。

また唾液が少なくなると、歯と歯肉の境目の根の表面に虫歯が発生することが多いので、くれぐれも気をつけていただきたいと思います。

名医が答える40歳からの医学相談特集

「家庭画報」という女性誌で特集され、当院顧問の稲葉繁先生が、歯科の部門の名医代表として、回答しました。

Q.口臭が気になって、毎日が憂鬱(45歳・女性)

口臭に悩んでいます。胃が悪い人は口臭があると聞き内臓検査もしましたが異常ありませんでした。

家族にも指摘されているほどで、臭いを紛らわそうと、外出時はいつもガムを噛みますが、自分では気がつかないので困っています。本当に毎日が憂鬱で仕方ありません。

A.口の中は最近の絶好の隠れ家。何よりも口内清潔が第一

臭いというものは始末の悪いことに姿形がありません。しかもあたり構わずどこにでも侵入してきます。そしてその環境の中にいると慣れてしまっい何とも感じなくなってしまうのです。

これを嗅順応と呼んでいます。口臭の場合も同様で、自分ではなかなか気がつきません。そして他人は口臭を感じても指摘しにくいものですから黙っていますので、一度自分に口臭があると思い込むと精神的に落ち込み、他人と話したりそばに近寄ることがおっくうになり、消極的な行動になりがちなものです。

しかし口臭は自分で思っているほど強くないのが普通ですし、自分で口臭があると思っている人でも実際検査すると問題がないことが多いのです。

口臭があるかどうかの検査は親しい人に臭いを嗅いでもらうとよいと思いますが、直接かぐのが嫌である場合には、ビニール袋に息を吹き込み、それを嗅いでもらうとよいでしょう。あなたの場合、内臓に問題がないとのことですから、口からの臭いであると思います。

口の中は複雑な形をしているので、細菌の絶好の隠れ家となりますし、栄養もたっぷりあり、湿度も細菌が繁殖するのに適しています。特にはのまわりや歯肉のまわりは細菌の繁殖には絶好ですが、忘れてはならない場所は舌の表面です。一見舌の表面は平らに見えますが、絨毯のように軟らかく細い絨毛で覆われています。そのためこの繊維の中で細菌が繁殖し、臭いの原因になっていることがあります。

このような場合には何よりも清潔が第一です。歯科医院で歯垢(プラーク)や歯石を除去してもらい、清潔にしましょう。また、ご自分で口の清潔を保つ方法は歯ブラシによるブラッシング、デンタルフロスを使ったフロッシングおよび洗口剤を使ったリンシングです。この三種類の方法を応用ししばらく続けると、多くの場合口臭は改善します。

  

Q.差し歯の寿命は10年と言いますが、それ以上経つと、とれてしまいますか?とれなければずっと使い続けることはできるのですか?差し歯のお勧めな素材はありますか?できるだけ自然の歯に似せたいと思っています。

A.差し歯はとれなくて、不自由がなければずっと長く使っていただいて構いません。
差し歯が長く使えるように保つポイントは、 定期的に歯科医院で、かみ合わせのチェック、虫歯のチェックなどのメンテナンスをすることです。
差し歯を入れた当初と、数年経った状態ではかみ合わせは変わっている場合が多いです。
差し歯に負担がかかっていないかをみてもらう必要があります。
そして、差し歯は神経の治療がしてあることがほとんどなので、隙間から虫歯になっても痛みを感じず気付かないことが多いです。虫歯になっていないかどうかもメンテナンス時に確認してもらうといいでしょう。
差し歯のおすすめな素材に関しては、やはり自然にみえて、治療してあることが悟られないようなもので体に安全なものをお勧めします。
保険の差し歯と保険外の差し歯についてこちらのページに詳しく書いてあるのでよかったら参考になさってください。

Q.差し歯の臭いが気になります。

5年ほど前、前歯と奥歯に差し歯を入れました。最近になって差し歯の臭いが気になるようになりました。特に朝起きた時に強く感じます。普通にしている時でもつばを飲んだ時に変な味,臭いがします。
差し歯の中が虫歯になっているのでしょうか?

A.いくつかの原因が考えられます。

一つ目は、差し歯を支えている歯と骨の間の歯周ポケットの中に歯垢や歯石が付着していて臭いなどの不快感を感じる場合です。このような場合は歯科医院でよく調べてもらい、歯周ポケットの中をきれいにしてもらうと症状が消失してきます。ただし、しばらくするとまた歯垢や歯石が付着しますので、定期的な歯科医院でのメンテナンスが必要です。

ご自分でできる予防法としては、歯と歯の間に汚れがつかないように、デンタルフロス、歯間ブラシなどを使っていつも清潔に保つことです。どうしてもご自分でとれない汚れ、磨き落としなどは歯科医院できれいにしてもらいましょう。

二つ目は差し歯の土台の金属が腐食して臭いをだす場合もあります。

神経の治療をした歯は弱く折れやすいため、土台を入れて補強をし、差し歯を被せるのですが、その土台の金属から不快感を感じることもあります。

土台の金属は差し歯を被せてあるとみえないことが多いのですが、金属によっては腐食します。

このような場合は一度差し歯を取り外す必要がありますが、状態によっては土台の交換ができない場合もあるので、歯科医とよう相談されることをお勧めします。

三つめ、差し歯の隙間から虫歯になっている場合も臭います。食べ物のカスなどが入り込み、もっと虫歯が大きくなる可能性もあります。神経のない歯はこのような状態でも痛みを感じない場合があります。食べ物がつまりやすかったら要注意です。

四つ目、よく「セメントや接着材が溶けている味がする。」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、それが原因で臭うという方は少ないように感じます。

つばを飲んだ時の味、臭いはおそらく歯周ポケットからの浸出液、血液からです。 血液も臭いがあるし、味があります。

いつも歯を清潔に保ち、歯科医院でのメンテナンスにより大半は予防が可能なので、しばらく歯科医院にいらしてない方は一度受診されることをおすすめします

 

Q.差し歯を新しい差し歯にしたいと思っています。


現在保険の差し歯を前歯二本していて5年たって歯と歯茎の境い目に金属の土台も見えてきたので、新しく差し歯を作りなおしたいと思っています。そこで保険にするか保険外のものにするか悩んでいます。

保険の差し歯と保険外の差し歯は何が違うのでしょうか?

また、差し歯から差し歯に作り変えるとすればどのくらいの期間新しく歯をいれるまでかかるでしょうか。

A.保険の差し歯、保険外の差し歯について、少し書かせて頂きます。(前歯)

保険の差し歯について、硬質レジン前装冠と言う方法で対応しています。

硬質レジン前装冠

金銀パラジウム合金という保険対応の金属の表面に白いプラスチックを接着させた歯です。

適応は前歯から3本目の犬歯まです。(4番目からは銀歯になります。)

メリット

●保険治療がきくため安いこと

●とりあえず、白くなること

デメリット

●金銀パラジウム合金はいろんな金属が入った金の代用合金です。そのため、生体にアレルギー反応を惹き起す可能性があります。

●プラスチックのため食べ物や飲み物の着色、また臭いも吸収します。

●保険専門の技工所で流れ作業で製作するため精度が落ちます。

保険外の差し歯については

オールセラミック、ジルコニアセラミック、ポーセレンメタルボンドなどの種類がありますが、一番治療頻度の高い、ポーセレンメタルボンドについてお伝えします。

ポーセレンメタルボンド

白金加金にセラミックを焼き付けた方法です。すべて白く、天然歯そっくりに作ることができます。しっかりとした強度、耐久性があります。歯科技工士がたくさんの色を重ねて製作するオーダーメイドの歯です。

メリット

●スイスメタロール社の白金加金を使用。アレルギーテストもしっかりされた、安全な金属を使用します。

●たくさんの色を使って、天然歯そっくりに作ることができます。

●セラミックのため汚れや臭いを吸収しません。

●当院内の技工所で一番良い材料、道具を使って製作するため、色、形、かみ合わせの精度が高いです。

●歯肉とのなじみも良いため、かぶせ物周辺の歯肉の健康も維持できます。

デメリット

●保険治療が効かないこと

●前歯の光の透過性が、オールセラミックよりもないと言われています。

 

また、差し歯から差し歯に作り変えるとすればどのくらいの期間新しく歯をいれるまでかかるでしょうか。

ということなのですが、中の土台がしっかりしているのか、していないのかで多少製作期間は変わりますが、1か月から2カ月は考えていただいた方がいいと思います。

やはり、精密なものなので時間はかかります。その間、しっかりとした仮歯を入れるので、審美的にも機能的にも不自由ないようにするのでご安心ください。

 

 

Q.前歯の差し歯がとれてしまいました!自分でつけることできますか?


A.差し歯がとれてしまって、自分でつけてしまう方、たまにいらっしゃいます。

「差し歯」とは、神経の治療をした歯に金属の土台を差し込んで、その土台に歯を被せてある状態のものです。

神経のある歯に被せてある物は「被せ物」として区別しています。

差し歯がとれてしまったのが夜中だったり、旅行中だと大変困ってしまうと思うので、つい自分でつけることできないかな・・・と思ってしまいますよね。

でも、やめておいた方がいいです。

というのはとれてしまった歯の根の中は食べカスなどがついていて清潔な状態ではありません。細い根の中を自分で綺麗にすることは、歯科医院以外ではできません。

その上に接着剤などで、くっつけてしまうと、しばらくして感染する可能性があります。

もしくは、接着した根の中から虫歯が広がってしまうことだってあるのです。

自分でもどしても、だいたいすぐに取れてしまうので、結局は歯科医院に行く必要があるのですから、早めに受診されたほうがいいと思います。歯科医院ではだ液も細菌の感染源になるため、歯の根に入らないように気を付け、滅菌消毒してつけます。

差し歯がとれてしまう原因なのですが、よく患者様に説明することをそのままお伝えします。

差し歯と歯の根はセメントで接着されています。そのセメントが隙間から溶け出してしまい、接着力がなくなってとれてしまう。

差し歯と根の維持力が悪い場合もよくとれてしまいます。例えば上の前歯は接着してないと、重力で落ちてきます。それをセメントでつけているのですが、セメントだけだととれやすいです。そこで、落ちないように引っかかりを作ったり、適合をよくしたりという工夫がされるわけなのですが、その維持力が弱いととれやすくなります。

差し歯の中が虫歯になっている場合、中がやわらかくなってしまうためとれやすくなってしまいます。

噛みあわせが強い場合、前歯だったらとれてしまいます。

歯の根が割れている場合もとれてしまいます。

当院では、とれてしまった差し歯は必ずもってきていただくようにしています。

セメントが溶けてしまっただけだったとするともう一度つけることができます。(ただし、繰り返すようならば新しく作りなおしたほうがいいと思います)

維持力が悪い場合は、とりあえずつけますが、土台からやり直す必要があります。

中が虫歯になっている場合は、やわらかい虫歯をすべてとって補強をしてつけます。

噛みあわせが高い場合はその原因をとってつけます。

歯が割れていた時、これは問題です。

急性症状がない限りは、歯に負担がかからないように両隣りの歯に接着して応急処置をして、治療方法を相談してから抜かないといけません。

 

30代の時にすでに全体的に差し歯があったり、ブリッジが入っていたりするかたはこれから要注意です。40代で、かぶせてある歯やブリッジが割れたり、保存できなくなってしまうケースが非常に多いからです。

この時期にしっかりとした歯科治療をしておかないと、歯の喪失を加速させてしまう可能性があります。

差し歯がたくさん入っている方には、連結することをおすすめしています。歯は左右に揺れる力にとても弱いため、一本一本離れていると、すぐにとれてしまいます。

出来る限り、弱い歯も含めて全体的に固定してあげること。

歯のかみ合わせを整えてあげること。

歯を動かさないようにすること。

がとても大切なキーポイントになります。

Q.顔がゆがんでいるような感じがします。顔を動かす運動やストレッチをしたりしましたが、その時は良くなった感じが しますがしばらくすると元にもどるような気がします。ゆがみの原因はほとんどが食べ物を食べるときの咬み癖が原因と聞いたことがあります。小さいころから 歯は弱くて、38歳にしてほとんどが差し歯という状態です。

歯が原因で、顔がゆがむ事ってあるのでしょうか?

A.歯が原因で、顔がゆがむ事はあります。

やはり、右で噛む位置と左で噛む位置のバランスが違っていたら、顔がゆがみます。

噛みやすいところでいつも噛む、いわゆる噛みグセがあっても顔がゆがんでしまいます。

歯のかみ合わせの平面は左右が対称で、体の中心軸に直交する平面が理想です。

ゆがんでいる顔の方はこのかみ合わせの平面がずれている事がとても多いように感じます。

かみ合わせの平面は普段唇や頬で隠れているので、左右対称かどうか非常にわかりにくいです。

これを調べることができる検査があります。

フェイスボートランスファーという検査です。

 これはフェイスボウトランスファーという、上顎の模型を咬合器に付着させるためのものです。体の正中 と噛み合わせの平面が垂直であるかどうかを調べる器具で、詰め物や被せ物ひとつ作る場合もフェイスボウトランスファーは重要です。
kawasaki3.jpg

 

体の中心軸は頭からかかとまで一直線になっていると考えてください。その軸に直交する平面はいくつかあります。

膝、腰、肩、眼の位置です。そして、かみ合わせの平面も体の中心軸に直交することが大切です。

同時に両手の長さも一致しているのが 良い姿勢であるといえます。

フェイスボートランスファーはまず、上あごの模型をとり、その後中心に対するかみ合わせの平面を記録して、咬合器という器械に移します。その後、下あごの 模型も咬合器に付着します。

このようにして記録したものを咬合器に移したところです。
体の正中(咬合器の正中)と歯の噛み合わせの関係がしっかり移されています。
kawasaki7.jpg

痛みなど、怖いことはないので安心してくださいね。

かみ合わせの平面を診断したり、かぶせもの、入れ歯などを作るときにはフェイスボートランスファーは必ず必要で、当院ではフェイスボートランスファーはを 行わないかみ合わせ治療はあり得ません。

フェイスボートランスファーをして、咬合器というかみ合わせの器械につけて製作したかぶせ物や入れ歯は左右が対称で両側で同じように噛めるようになるた め、顔のゆがみもなくなります。

噛みグセがなくなるように、全体で噛めるようにします。

筋肉の緊張などはすぐには治りませんが、しだいにリラックスしてくることで、ゆがみもとれてくると思います。

今回のご質問では、ほとんどが被せた歯だということなので、一度ご自分の歯のかみ合わせの平面が合っているかどうか調べることをおすすめします。

 


「家庭画報」という女性誌の名医が答える40歳からの医学相談特集

という特集で、歯科の部門の名医の代表として、
当院、顧問の稲葉繁先生が質問に回答したものです。

Q.最近、口の臭いが気になるようになってきました。家族から指摘されて気がついたのですが、自分の口が臭いかと思うと、話をすることもためらってしまいます。特に朝起きた時に強く感じます。何かよい予防方法があれば教えていただきたいと思います。(62歳 女性)

A.口臭予防には徹底した口内衛生管理が大切です。

年を重ねるにつれ、気になる人が増えるという口臭。口臭にはだ液の分泌不足によるものと、腸内の昨日低下によるものが主といわれています。

便秘症の人にも見られるように、腸内環境が悪化すると、悪玉菌が増え、アンモニア等の悪臭ガスが溜まり、これが吸収され血管を通り、口臭の原因に。

これらは、生活環境や食生活を見直し、胃腸に負担をかけない食事や生活を心がけることが大切です。

次にだ液の分泌不足による口臭。

口を開けて呼吸する、食べ物をかまない、自律神経の機能が低下すると、だ液は不足し、口内に細菌が増加。

それが食べ物のカスなどを餌に、臭いの元となるメチルメルカプタンなどの揮発性硫化物質を作り出します。

また、むし歯治療でつめた金属や手入れの不十分な入れ歯なども、口臭の大きな原因です。

この口臭が特に強くなるのが朝、寝ている間に少なくなっただ液に、古くなって剥がれ落ちた粘膜組織が混ざり、粘着性が高くなっただ液が口臭を強くします。

口臭を防ぐために1日3度の食後の歯磨きは基本。

歯と歯の間は歯間ブラシなどを使い、舌は舌ブラシを使って、口の中の隅々まできれいにしましょう。

また、キシリトールの摂取は歯石を柔らかくする効果があり、日頃の歯磨きをより有効なものにしてくれます。

すべてのケアが終わったら、殺菌作用のあるマウスウォッシュで仕上げます。

口臭予防に大切なのは、何よりも徹底した口内衛生管理といえるでしょう。

名医が答える40歳からの医学相談特集

というのが家庭画報で特集され、当院顧問の稲葉繁先生が、歯科の部門の名医代表として、回答しました。

Q.虫歯ではないのに、食事のたびに歯がしみます。 52歳・男性

食事中に歯がしみることがたびたび続いたので、一度近所の病院でみてもらいました。先生は虫歯ではないというのですが、それでも熱いものや冷たいものを食べると歯がしみて仕方ありません。

私の気のせいでしょうか。それとも虫歯でもないのに歯がしみるのは、何か別の病気の兆しなのでしょうか。

A.長年にわたる食生活でエナメル質も摩耗、そして刺激に反応する。 稲葉繁先生(高齢者歯科教授)

歯がしみる原因はいくつか考えられます。そのうちの一つが虫歯ができているときですが、検査の結果虫歯ではないとのことですので、ほかにおそらく原因があるのでしょう。

歯の表面はエナメル質という固い物質で覆われており、虫歯にかかりにくくなっています。

そして簡単には擦り減らないようになっていますが、長い間には固いものをはじめ歯をすり減らすようないろいろなものを食べますので、どうしても歯の表面は少しずつすり減ります。

表面の固いエナメル質が減ってしまいますと、その下の総には神経の線維がある象牙質が出てきます。

この象牙質は柔らかく、いったん表面に露出しますと、急激にすり減りがおこり、さらに奥の神経の部屋、すなわち歯髄に近づきますので、ちょっとした刺激、すなわち冷たいものや熱いものにも反応して、非常にしみやすくなるのです。

正常な状態で歯が植立している場合には、歯の根は歯肉に覆われていますが、加齢現象やほかの何らかの原因で歯の根が露出しますと、やはり神経が直接ひょうめんに露出します。

歯根は表面がセメント質に覆われていますが、軟らかいためにすぐにはがれてしまいます。

したっがて歯肉は退縮するために歯根が露出し、しみるようになります。もうひとつの歯根の露出の原因に、長年にわたる間違った歯ブラシの使用によるものがありますので、ブラッシングの方法を歯科衛生士などの専門家に相談してみてください。

さらに歯のかみ合わせにより、歯冠と歯根の境目のところにストレスが集中し、この部分に、きつ状のシャープなくぼみができることがあります。そのような場合には歯垢が付着しやすく、なかなか奥までとれにくいため、虫歯になりやすくなります。

多くの場合このような、きつ状欠損は小臼歯に現れ、歯と根の間に段差ができますので、この部分にツメを当てますと引っかかりがわかります。その時は歯科医院に行き詰め物をしてもらうとよいでしょう。

「家庭画報」という女性誌の名医が答える40歳からの医学相談特集

という特集で、歯科の部門の名医の代表として、
当院、顧問の稲葉繁先生が質問に回答したものです。

Q かぶせた金属でアレルギー反応が出てしまった。42歳男性

先日、保険診療で歯に銀歯をかぶせました。初めてだったため最初は違和感もありましたが、それよりも困ったのは皮膚に湿疹がでてきたことです。いわゆるアレルギー反応を起こしたようで、現在皮膚科でもらった薬を飲んでいますが、どのような処置方法があるのでしょうか。

A ある種の金属に対するアレルギーの疑い。まずは、パッチテストを。(高齢者歯科教授 稲葉繁先生)

歯の治療に使う材料には金属、合成樹脂、陶材など、さまざまなものがあります。

お口の中は酸性やアルカリ性の食べ物や、熱いもの冷たいものなどが入るという過酷な条件にあります。

そのためできるかぎり安全なものがつかわれなくてはなりません。

歯に詰め物をしたとのことですので、どのようなものかわかりませんが、ある種の金属によるアレルギーが疑われます。このような場合にはどの金属によるアレルギーであるかを特定しなければなりません。

その方法にはパッチテストがあります。歯科医院で行っているところもありますが、大きな病院の歯科や歯科大学の付属病院ならどこでも行っていますので、受診してみたらいかがでしょうか。

金属はだ液などにより少しずつ溶出しますので、これを飲み込むことににより皮膚に湿疹がでることもあります。

特にニッケルの場合にはこのようなケースがしばしばみられます。日常生活でぶれすれっと、指輪、イヤリングのように直接肌に触れるようなものを身に付けたとき、湿疹を生じた経験がありましたか。

はじめてピアスをするときには金のピアスで行わないと化膿したり、湿疹がでたりすることを多くの人が知っています。

最も安全な金属は金や白金などの貴金属です。

口の中から全身に回るわけですから安全なものを使いたいものです。

一度詰め物を行いアレルギー反応を起こした場合、そのまま放置しても治ることはありませんから、その詰め物を取り除いてもらい、ほかの安全なものに替えてください。

さらにだ液を介して金属イオンが溶解したり味覚が変化しますので、同一の口の中には異種金属のものはつかわないようにしてください。

「家庭画報」という女性誌の名医が答える40歳からの医学相談特集

という特集で、歯科の部門の名医の代表として、
当院、顧問の稲葉繁先生が質問に回答したものです。

Q.歯と歯肉の間に段差が生じてきました。 45歳・男性

歯磨き後に念入りに歯をみていると、歯と歯肉の間に少し段差がある印象を受けました。テレビCMではありませんが、りんごなど硬いものを食べると歯ぐきから血が出ることも度々あります。

特に痛みはないのですが、歯ぐきの色つやが悪いということは、やはり虫歯の一種なのでしょうか?

A.一度かかるとなかなか治りにくい歯周病。早めに治療を 稲葉繁先生(高齢者歯科)

このような症状が起きた場合にまず考えられるのが歯肉の病気でしょう。虫歯の場合には、歯肉の中に入っているところが虫歯になります。

また、歯の一部が欠けている時、その部分に歯肉が入り込み炎症を起こして腫れる場合がありますが、これを放置する人は少なく、多くの場合には気がつくはず です。歯肉の病気に代表的なものに歯周病があります。この病気の症状は、ご質問にありますように、他覚的には歯肉の腫れ、黒ずんだようね変色、歯の動揺、 出血、口臭、歯肉と歯の境目からの膿がでるなどの様々な症状がみられます。また自覚的には歯が浮いた感じ、硬いものが食べられない、だ液の粘張感などがあ ります。

あなたの場合にはりんごを食べたときの歯肉からの出血や、歯が浮いている感じから歯周病であると診断して間違いないでしょう。

この病気は自分で気づいたときにはかなり進行していることが多いので、早めに歯科医院を訪れてレントゲン撮影を行い、診断してもらいましょう。

歯周病は一度かかると大変治りにくい病気です。歯と歯肉の境目に歯周ポケットと呼ぶ深い溝ができ、そこから、膿が排出されます。これは口の中である特定の最近が繁殖し、その産生物により歯を取りまく骨が溶け出します。

また、出血や滲出液が原因となり歯肉のまわりに硬い歯石が付着します。これを放置すると、ますます根の奥のほうまで達していきますので、表面上は歯 石がついていることがわかりません。このようになった場合にはいくら歯を磨いていても歯肉の中の歯石を取ることはできませんので、歯科医院を訪れきれいに 取り去ってもらうことがよいと思います。かなり進行している場合は簡単に歯石は除去できませんので、手術をすることになると思います。

「家庭画報」という女性誌の名医が答える40歳からの医学相談特集

という特集で、歯科の部門の名医の代表として、
当院、顧問の稲葉繁先生が質問に回答したものです。

Q.年々歯並びが悪くなっている気がする  50歳・女性

気のせいかもしれませんが、年々歯並びがわるくなっているようです。以前から少し重なっていた前歯が最近ますます重なってきているし、歯と歯の隙間も以前 より目立ってきたように思えます。この年からでも歯の矯正は可能ですか。歯並びがわるくなっているのは、何かほかの病気とも関連があるのでしょうか。

A.歯の周囲の骨を徐々に溶かす歯周病が歯並びを悪化させる。 稲葉繁先生(高齢者歯科教授)

年をとるにともなって歯並びに影響を与える原因はいくつか考えられます。その中でも加齢現象というのは生理的に避けることができませんが、ほかにもある種の病気が原因となって歯並びを悪くする場合があります。

生理的なものとしては食事や嚥下などにみられる、長期間使用による上下の歯のすり減りが挙げられます。この現象が起こると前歯の先端が徐々に平らに なったり、逆に犬歯は各が鋭くなったりします。臼歯においては臼のようになったくぼみが平らになってきます。さらに歯の周囲をト囲んでいる歯肉がわずかず つ根の方向に退縮してきます。しかしこれは短期間できがつくほどの量ではありません。

最も注意を要するのは病的な原因で歯並びがわるくなるものです。その第一の原因は歯を取り囲んでいる骨が徐々に吸収を起こす歯周病です。これは食べ カスが歯の周囲に付着し、それを放置したときにバクテリアが繁殖し、その産生物により歯の周囲の骨が除所に溶けてしまいます。そしてその結果歯は動揺し歯 と歯の間に隙間ができたり、前に飛び出してしまうのです。

このようなときは歯に無理な力をかけることはできませんので、矯正はできないと考えていただいたほうがよいでしょう。歯はわずかな力でも継続してかかりますと移動を起こします。

この力を人工的にかけるのが矯正です。ですから年齢にはさほど関係はないと思いますが、40歳代以上では骨も硬くなってきており、大変むずかしいといわれます。

もうひとつ、智歯と呼ばれる親知らず歯が萌出しきらずに横を向いてでてくることがありますが、このときの力は前の歯にかかるため、徐々に下顎の前歯 が重なってきます。もしも歯の欠損がある場合には、残った歯に負担がかかってくることがあり、歯の移動が生じてきますので歯の治療を必要とします。

すべての歯の根は後ろの方向を向いており、歯が口の中に見えている部分は前の方向に位置しているため前に移動しやすいので、注意が必要です。

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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

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