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2010年2月25日

PARTIAL DENTURE (部分入れ歯)

 部分入れ歯とは歯が一本抜けてしまったところから一本しか残っていない状態までの取り外しの床がついた入れ歯のことをいいます。

歯の本数が少ない場合、安定が悪いため、両側をバーという金属で補強します。

そのバーの種類についてお話します。

保険で適応されるパラタルバーについて

これは右と左の部分入れ歯をただ、既成の金属でつないだだけのものです。

そのため、かんだ力がそのまま反対に伝わってしまう、悪い設計だと、かんだ力でバーをてこににして、反対の歯を抜いてしまうような力がかかってしまうことがあります。

バーの設計は歯を守るために、実は非常に大切なものです!

バーの種類、設計によって、歯を守るものと、悪くしてしまうものがあります。

稲葉歯科医院では患者様の歯の状態によって、バーの設計をしています。

かんだ力が反対の歯にほとんど力が伝わらないようなバーの設計をして、歯を守ります。

もちろん既成のバーではなくて患者様のあごにあわせたオーダメイドの鋳造床です。

金属の種類は、チタン、金、コバルトクロムがありますが、それぞれ精密で頑丈です。

後パラタルバー(トーションバー)

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トーションバーはねじれた形をしていて、たとえば右側でかんだ力をバーで吸収して、左側にうつさないような形になっています。

アディダスの靴の底にトーションシステムというのがあります。

これは、歩いた時の衝撃をトーションシステムのねじれた形で吸収して前足と後ろ足に伝わらないようして負担を軽減するようなクッションです。

それと同じような考えがトーションバーです。

HP2.jpg

上あごの後ろの方にバーがくるので舌のじゃまになるのでは?

と思うかも知れませんが、前の方にくるほうが舌のじゃまになるのです。

前の方にバーがあると、入れ歯の安定も悪く、発音に関与する場所でもあるので話しがしずらくなります。

後ろにバーがあると、入れ歯の安定がよくなり、発音もよくなります。

硬い口蓋骨のところにバーがあり、嘔吐反応もありません。

バーが中途半端な場所にあると気になってしまいますし、軟らかい軟組織にバーがあると沈みこんだりして違和感があったりします。

このバーにより歯全体を強く連結し、守るような形になります。

シュパルテ 

 

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そして、この床の形がシュパルテです。

とても斬新な形で一見これが口の中に入ると違和感を感じそうですが、これが本当に結果がいいのです。

非常にデリケートな方にも受け入れてもらえていて、みなさんそろって「違和感がない」とおっしゃっていただけます。

先日、シュパルテを入れた患者様に使い心地を聞いてみたところ、

「保険の入れ歯を簡易的にいれたら、前の方にバーがあったため、発音がうまくできないし、食事がおいしくなくて、人生の楽しみが半分なくなった感じがし ちゃったよ、この入れ歯になってから、発音はなにも問題がないし、入れ歯が動くことがないからこの前は上海ガニをバリバリ食べたよ!」

アハハハと笑って話して下さいました。

本当にこんな風に感じている方が多いのです。

しかもトーションバーのねじれによって力を吸収するのと一緒で、アルファベットのEの形で真ん中に伸びたところで力を吸収します。

トーションバーも優れていますが、最近は圧倒的にこのシュパルテで対応することが多くなりました。

シュパルテは、リヒテンシュタインのDR.シュライヒ から教わりました。

DR.シュライヒは総入れ歯で非常に有名な先生で、わたしたち家族もとても仲良くしていて、引退された今でも交流があります。

リンガルバー

 

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下の歯に対しては、リンガルバーというバーで対応しています。

上の歯はリーゲルテレスコープで鍵が二つ、そしてリンガルバーによってたわまないようにしています。

バーそ下のほうにもってくることで発音をしやすくしています。

また清掃性もよくしてあります。

バーの設計をしないで、ただ両側をつなげるだけではなんの意味もないばかりでなく、てこ作用によって、歯を抜いてしまうかもしれません。

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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

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